「けのび」動作指導法の違いによる学習効果の検証：壁に着壁するまでの姿勢変換に着目して
「1. 緒言」 水泳は陸上で行われる他の身体運動とは異なり, 水を媒体として推進力を得るほか, 運動中自己の体重を支える支持点がないこと, 体位を水面と平行に保つこと, 動作と連動させた呼吸法を習得する必要があるなどの特性を持つ. 陸上での基本的移動動作である歩行や走行に関しては, ほぼ自然発生的に運動が発現するのに対して, 水泳は前述のような特性を有することから, 学習しないと獲得できない運動様式であると言われている(金子, 1982, pp.72-73). さらに, ほとんどの陸上運動は他者の運動を模倣することで獲得できることもあるが(朝岡, 2005, pp.31-35), 水泳において...
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| Published in | 体育学研究 Vol. 61; no. 1; pp. 229 - 243 |
|---|---|
| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本体育学会
2016
日本体育学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0484-6710 1881-7718 |
| DOI | 10.5432/jjpehss.15088 |
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| Abstract | 「1. 緒言」 水泳は陸上で行われる他の身体運動とは異なり, 水を媒体として推進力を得るほか, 運動中自己の体重を支える支持点がないこと, 体位を水面と平行に保つこと, 動作と連動させた呼吸法を習得する必要があるなどの特性を持つ. 陸上での基本的移動動作である歩行や走行に関しては, ほぼ自然発生的に運動が発現するのに対して, 水泳は前述のような特性を有することから, 学習しないと獲得できない運動様式であると言われている(金子, 1982, pp.72-73). さらに, ほとんどの陸上運動は他者の運動を模倣することで獲得できることもあるが(朝岡, 2005, pp.31-35), 水泳においてはいかなる泳法であっても見よう見まねで習得することは困難であり, 段階的な習熟過程を経てようやく1つの泳法が習得できる. その習熟過程において, 最も基本的かつ共通する動作が「けのび」であると言える. |
|---|---|
| AbstractList | 「1. 緒言」 水泳は陸上で行われる他の身体運動とは異なり, 水を媒体として推進力を得るほか, 運動中自己の体重を支える支持点がないこと, 体位を水面と平行に保つこと, 動作と連動させた呼吸法を習得する必要があるなどの特性を持つ. 陸上での基本的移動動作である歩行や走行に関しては, ほぼ自然発生的に運動が発現するのに対して, 水泳は前述のような特性を有することから, 学習しないと獲得できない運動様式であると言われている(金子, 1982, pp.72-73). さらに, ほとんどの陸上運動は他者の運動を模倣することで獲得できることもあるが(朝岡, 2005, pp.31-35), 水泳においてはいかなる泳法であっても見よう見まねで習得することは困難であり, 段階的な習熟過程を経てようやく1つの泳法が習得できる. その習熟過程において, 最も基本的かつ共通する動作が「けのび」であると言える. |
| Author | 中島, きよ 高木, 英樹 |
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| Copyright | 2016 一般社団法人 日本体育学会 |
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| CorporateAuthor | 筑波大学大学院人間総合科学研究科 筑波大学体育系 |
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| Discipline | Recreation & Sports |
| EISSN | 1881-7718 |
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| ISSN | 0484-6710 |
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| Issue | 1 |
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| Publisher | 一般社団法人 日本体育学会 日本体育学会 |
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| References | マイネル，K.（1981）マイネル・スポーツ運動学．大修館書店，pp. 123-127. 土方幹夫（1980）教員養成大学における水泳授業の検討I．新潟大学教育学部高田分校研究紀要，25: 127-145. 合屋十四秋・野村照夫・松井敦典（2006b）けのび動作の力発揮と前方牽引による受動抵抗との関係．愛知教育大学研究報告，55: 21-25. 杉浦加枝子・合屋十四秋（2000）「けのび」動作の習熟過程と気づきに関する追跡研究．水泳水中運動科学，3: 29-34. 三輪千子・本間三和子（2010）小学校低学年期に身につけておくべき水中での基本動作の達成度と陸上での運動遊びとの関係．体育科教育学研究，26(1): 1-13. 朝岡正雄（2005）動きの模倣とイメージトレーニング．バイオメカニズム学会誌，29(1): 31-35. 小山田早織・合屋十四秋（2004）大学生男子トップスイマーのけのび動作と力発揮．愛知教育大学保健体育講座研究紀要，29: 1-6. 古橋廣之進，宮下充正，林 裕三，高橋伍郎（1971）図説水泳辞典．講談社，p. 443. 高橋伍郎・古橋廣之進（1984）．日本放送協会編，NHK 趣味講座ベストスイミング日本放送出版協会，pp. 34-105. Lyttle, A., Benjanuvatra, N., Blanksby, B., and Elliott, B. (2002) Body from influences on the drag experienced by junior swimmers. In: Hong, Y. (ed.) International research in sports biomechanics. Routledge Publishing, pp. 310-317. 野村照夫（2004）子どもとスイミング．子どもと発育発達，2(1): 8-12. 中村恵子（1986）中学 2 年生を対象とした水泳の初心者指導における「けのび」の効果について．日本体育学会大会号，37: 348. 阿江通良（2009）幼児の動きの発達にはさらに何が必要か―日本体育協会「幼少年期に身につけておくべき基礎的動きプロジェクト」から―．体育の科学，59: 317-323. 土居陽冶郎・小林一敏（1985）「けのび」のモデルによる解析．東京体育学研究，12: 115-118. 佐藤三郎（1933）中等学校水泳教範．一成社，pp. 6-7. 合屋十四秋・杉浦加枝子（2000）習熟過程における「けのび」動作とその認識の縦断的研究．愛知教育大学研究報告，49: 15-18. 金子公宥（1982）バイオメカニクス入門．杏林書店，pp. 72-73. 合屋十四秋・松井敦典・杉浦加枝子（2006a）大学生男女初心者の「けのび」動作における力発揮と認識の変容．スポーツ方法学研究，19(1): 31-44. 金子明友・朝岡正雄（1990）運動学講義．大修館書店，p. 271. 京田武男（1920）最近の水泳術．三田書房，pp. 126-129. 柴田義晴（1992）水泳指導についての一考察―け伸び指導について―．東京学芸大学紀要，44: 133-140. 高橋伍郎（1983）水泳における身体動作．Japanese Journal of Sports Sciences 2, 7: 518-526. 日本水泳連盟（1948）水泳読本．湖山社，p. 21. |
| References_xml | – reference: 朝岡正雄（2005）動きの模倣とイメージトレーニング．バイオメカニズム学会誌，29(1): 31-35. – reference: 高橋伍郎・古橋廣之進（1984）．日本放送協会編，NHK 趣味講座ベストスイミング日本放送出版協会，pp. 34-105. – reference: 三輪千子・本間三和子（2010）小学校低学年期に身につけておくべき水中での基本動作の達成度と陸上での運動遊びとの関係．体育科教育学研究，26(1): 1-13. – reference: 柴田義晴（1992）水泳指導についての一考察―け伸び指導について―．東京学芸大学紀要，44: 133-140. – reference: 金子公宥（1982）バイオメカニクス入門．杏林書店，pp. 72-73. – reference: 古橋廣之進，宮下充正，林 裕三，高橋伍郎（1971）図説水泳辞典．講談社，p. 443. – reference: マイネル，K.（1981）マイネル・スポーツ運動学．大修館書店，pp. 123-127. – reference: 合屋十四秋・松井敦典・杉浦加枝子（2006a）大学生男女初心者の「けのび」動作における力発揮と認識の変容．スポーツ方法学研究，19(1): 31-44. – reference: 野村照夫（2004）子どもとスイミング．子どもと発育発達，2(1): 8-12. – reference: 金子明友・朝岡正雄（1990）運動学講義．大修館書店，p. 271. – reference: 土居陽冶郎・小林一敏（1985）「けのび」のモデルによる解析．東京体育学研究，12: 115-118. – reference: 合屋十四秋・杉浦加枝子（2000）習熟過程における「けのび」動作とその認識の縦断的研究．愛知教育大学研究報告，49: 15-18. – reference: 土方幹夫（1980）教員養成大学における水泳授業の検討I．新潟大学教育学部高田分校研究紀要，25: 127-145. – reference: 日本水泳連盟（1948）水泳読本．湖山社，p. 21. – reference: 合屋十四秋・野村照夫・松井敦典（2006b）けのび動作の力発揮と前方牽引による受動抵抗との関係．愛知教育大学研究報告，55: 21-25. – reference: 中村恵子（1986）中学 2 年生を対象とした水泳の初心者指導における「けのび」の効果について．日本体育学会大会号，37: 348. – reference: 阿江通良（2009）幼児の動きの発達にはさらに何が必要か―日本体育協会「幼少年期に身につけておくべき基礎的動きプロジェクト」から―．体育の科学，59: 317-323. – reference: 小山田早織・合屋十四秋（2004）大学生男子トップスイマーのけのび動作と力発揮．愛知教育大学保健体育講座研究紀要，29: 1-6. – reference: 佐藤三郎（1933）中等学校水泳教範．一成社，pp. 6-7. – reference: 京田武男（1920）最近の水泳術．三田書房，pp. 126-129. – reference: 杉浦加枝子・合屋十四秋（2000）「けのび」動作の習熟過程と気づきに関する追跡研究．水泳水中運動科学，3: 29-34. – reference: 高橋伍郎（1983）水泳における身体動作．Japanese Journal of Sports Sciences 2, 7: 518-526. – reference: Lyttle, A., Benjanuvatra, N., Blanksby, B., and Elliott, B. (2002) Body from influences on the drag experienced by junior swimmers. In: Hong, Y. (ed.) International research in sports biomechanics. Routledge Publishing, pp. 310-317. |
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| SourceID | medicalonline jstage |
| SourceType | Publisher |
| StartPage | 229 |
| SubjectTerms | バイオメカニクス 内省評価 初心者指導法 水泳 観点評価 |
| Title | 「けのび」動作指導法の違いによる学習効果の検証：壁に着壁するまでの姿勢変換に着目して |
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| ispartofPNX | 体育学研究, 2016, Vol.61(1), pp.229-243 |
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