地域開発からみた伝統的運動文化の意義:桑名の打毬戯の展開と現代における価値考察

「I はじめに」スポーツを通して行われる地域社会づくりの取り組みは, スポーツによる地域開発の重要な実践のひとつに位置づけられる. その事例として, 筆者は, 日本において, 地域に現存する伝統打球戯や伝統綱引きが, 教材としてあるいは地域づくりの行事としてなど重要な役割を果たしながら行われてきたことに着目した. なぜなら, それぞれの地域の特性と文化的状況のなかで, 過去に行われていたそれらの伝統的運動文化が, 地域に固有の形態と意義をもって復元・復興され, 時代とともに変容しながら適応し, 地域の活性化と発展に寄与しているという実態は, スポーツによる地域開発の推進について考察するうえで重...

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Published in体育学研究 Vol. 60; no. 2; pp. 415 - 428
Main Author 山田, 理恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体育学会 2015
日本体育学会
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ISSN0484-6710
1881-7718
DOI10.5432/jjpehss.14105

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Summary:「I はじめに」スポーツを通して行われる地域社会づくりの取り組みは, スポーツによる地域開発の重要な実践のひとつに位置づけられる. その事例として, 筆者は, 日本において, 地域に現存する伝統打球戯や伝統綱引きが, 教材としてあるいは地域づくりの行事としてなど重要な役割を果たしながら行われてきたことに着目した. なぜなら, それぞれの地域の特性と文化的状況のなかで, 過去に行われていたそれらの伝統的運動文化が, 地域に固有の形態と意義をもって復元・復興され, 時代とともに変容しながら適応し, 地域の活性化と発展に寄与しているという実態は, スポーツによる地域開発の推進について考察するうえで重要な示唆をもたらすものと考えたからである.
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.14105