膝蓋骨骨折に対する経皮的ワイヤリングの適応と限界

【はじめに】経皮的ワイヤリングは低侵襲手術としての利点が多いが,その適応は明らかでない.今回,自験例を検討し適応と限界を示す.【対象と方法】1999年以降,本法にて手術を行った36例の骨折型(AO分類),骨癒合,合併症を調査した.手術は経皮的に周囲および8字に二重締結を行い術後早期に膝可動域訓練開始した.【結果】AO分類のAが3例,Bが2例,C1が8例,C2が12例,C3が11例であった.3mm以上の転位例は18例だった.C2の1例が偽関節,C3の4例が骨癒合を期待できず再手術となった.高度の関節拘縮や筋力低下が遺残した例はなかった.【考察】再手術例は全て術直後の良好な整復位にもかかわらず経時...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 58; no. 4; pp. 555 - 557
Main Authors 古賀, 美穂子, 久我, 尚之, 萩原, 博嗣, 寺本, 全男, 花田, 麻須大, 貝原, 信孝, 畑野, 崇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2009
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Summary:【はじめに】経皮的ワイヤリングは低侵襲手術としての利点が多いが,その適応は明らかでない.今回,自験例を検討し適応と限界を示す.【対象と方法】1999年以降,本法にて手術を行った36例の骨折型(AO分類),骨癒合,合併症を調査した.手術は経皮的に周囲および8字に二重締結を行い術後早期に膝可動域訓練開始した.【結果】AO分類のAが3例,Bが2例,C1が8例,C2が12例,C3が11例であった.3mm以上の転位例は18例だった.C2の1例が偽関節,C3の4例が骨癒合を期待できず再手術となった.高度の関節拘縮や筋力低下が遺残した例はなかった.【考察】再手術例は全て術直後の良好な整復位にもかかわらず経時的に転位が増大してきたことから,手術手技よりも術式そのものの固定力不足に問題があると思われた.本法の適応は転位のないC3骨折までであり,3mm以上転位したC3骨折に対してはORIFを選択すべきである.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.58.555