小児に発生した膝関節滑膜軟骨腫症の1例
成人の滑膜性骨軟骨腫症は文献上数多くみられるが,日常遭遇することはまれで特に小児での報告例は少ない.今回小児に発生した膝関節滑膜性軟骨腫症の1例を経験したので報告する.症例は10歳男児.平成21年5月頃より特に誘因なく右膝関節痛,水腫認め当科受診.滑膜性軟骨腫症疑い関節鏡視下手術施行した.関節内の白色遊離体と表面に軟骨を形成していると思われた滑膜を摘出・切除した.症状は軽減し日常生活は可能となったが,深屈曲時の違和感あり.X線上遊離体の残存を認め,再度関節鏡視下手術行い,術後短期では症状は軽快している.病理組織では滑膜組織内に硝子軟骨を形成しており,一部石灰化を呈していたが骨化は明らかではなか...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 60; no. 2; pp. 243 - 246 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2011
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.60.243 |
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Summary: | 成人の滑膜性骨軟骨腫症は文献上数多くみられるが,日常遭遇することはまれで特に小児での報告例は少ない.今回小児に発生した膝関節滑膜性軟骨腫症の1例を経験したので報告する.症例は10歳男児.平成21年5月頃より特に誘因なく右膝関節痛,水腫認め当科受診.滑膜性軟骨腫症疑い関節鏡視下手術施行した.関節内の白色遊離体と表面に軟骨を形成していると思われた滑膜を摘出・切除した.症状は軽減し日常生活は可能となったが,深屈曲時の違和感あり.X線上遊離体の残存を認め,再度関節鏡視下手術行い,術後短期では症状は軽快している.病理組織では滑膜組織内に硝子軟骨を形成しており,一部石灰化を呈していたが骨化は明らかではなかった.11ヵ月後の現在再発なく経過観察中である.小児での本疾患発症例の報告は少なく,その機序についても不明な点が多いが,文献的考察を加え報告する. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.60.243 |