骨腫瘍と鑑別を要した骨髄炎の2例

骨髄炎の中には非定型的な発症や経過をたどり,炎症反応に乏しく画像上骨腫瘍と鑑別を要するものが時として見られる.今回われわれは,骨腫瘍との鑑別を要した骨髄炎の2症例を経験した.2症例とも局所炎症所見,血液学的炎症所見に乏しく,画像診断上骨腫瘍が疑われたが,生検の結果骨髄炎の診断となった.非定型骨髄炎の予後は,比較的良好ではあるが,もっとも問題となるのは悪性骨腫瘍との鑑別である.骨腫瘍の鑑別診断のひとつとして,骨髄炎を考慮すべきであり,各種検査でも鑑別が困難な場合,早期の生検術が必要であると思われる....

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 57; no. 4; pp. 643 - 646
Main Authors 田渕, 幸祐, 濱田, 哲矢, 善明, 美千久, 平岡, 弘二, 永田, 見生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2008
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Summary:骨髄炎の中には非定型的な発症や経過をたどり,炎症反応に乏しく画像上骨腫瘍と鑑別を要するものが時として見られる.今回われわれは,骨腫瘍との鑑別を要した骨髄炎の2症例を経験した.2症例とも局所炎症所見,血液学的炎症所見に乏しく,画像診断上骨腫瘍が疑われたが,生検の結果骨髄炎の診断となった.非定型骨髄炎の予後は,比較的良好ではあるが,もっとも問題となるのは悪性骨腫瘍との鑑別である.骨腫瘍の鑑別診断のひとつとして,骨髄炎を考慮すべきであり,各種検査でも鑑別が困難な場合,早期の生検術が必要であると思われる.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.57.643