70歳以上のアキレス腱皮下断裂に対する保存的加療:2例報告

70歳以上のアキレス腱皮下断裂に対して,保存的加療を行い良好な成績を得た2例を報告する.【症例】症例は2例とも72歳の男性である.1人は猫を追いかけようとして,もう1人は側溝を踏み外して受傷した.ともに虚血性心疾患に対し,経皮的冠動脈インターベンションや冠動脈バイパス術の既往があり,抗凝固薬を内服中であった.うち1人は糖尿病の既往歴もあった.ともにギプス固定と装具を用いた保存的治療を行った.最終観察時,再断裂なく日常生活上問題ない.【考察】アキレス腱皮下断裂の治療は,保存的治療と手術療法に大別されるが,ともに甲乙つけがたいのは周知の事実である.患者に両者のメリット・デメリットを説明したところ,...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 60; no. 1; pp. 122 - 124
Main Authors 井上, 三四郎, 伴, 光正, 進, 悟史, 阿久根, 広宣, 菊池, 直士, 井ノ口, 崇, 齊田, 義和, 内村, 大輝, 浦島, 太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2011
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.60.122

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Summary:70歳以上のアキレス腱皮下断裂に対して,保存的加療を行い良好な成績を得た2例を報告する.【症例】症例は2例とも72歳の男性である.1人は猫を追いかけようとして,もう1人は側溝を踏み外して受傷した.ともに虚血性心疾患に対し,経皮的冠動脈インターベンションや冠動脈バイパス術の既往があり,抗凝固薬を内服中であった.うち1人は糖尿病の既往歴もあった.ともにギプス固定と装具を用いた保存的治療を行った.最終観察時,再断裂なく日常生活上問題ない.【考察】アキレス腱皮下断裂の治療は,保存的治療と手術療法に大別されるが,ともに甲乙つけがたいのは周知の事実である.患者に両者のメリット・デメリットを説明したところ,2人とも保存治療を選択した.その理由は,周術期合併症への危惧と日常生活レベルに戻れれば十分という高くないゴールであった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.60.122