示指 DIP に発生した痛風結節の1例
【目的】示指 DIP に発生した痛風結節を経験したので報告する.【症例】85歳女性で高血圧,狭心症,高脂血症などに対して当院循環器科で11年間ループ利尿薬等が投与されていた.高尿酸血症は指摘されていたが,未治療であった.平成17年10月4日誘因なく右示指 DIP の疼痛,腫脹,発赤が出現した.10月20日初診し,血清尿酸値は11.0mg/dl で X 線では DIP 関節面掌側の punched out lesion 様の骨透亮像をみとめ,10月31日手術を行った.皮下組織直下に白色のチョーク様物質があり,これは掌側の骨欠損部にも充満していたので可及的に掻爬し,DIP 関節固定をした.この白色...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 56; no. 1; pp. 116 - 118 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2007
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.56.116 |
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Summary: | 【目的】示指 DIP に発生した痛風結節を経験したので報告する.【症例】85歳女性で高血圧,狭心症,高脂血症などに対して当院循環器科で11年間ループ利尿薬等が投与されていた.高尿酸血症は指摘されていたが,未治療であった.平成17年10月4日誘因なく右示指 DIP の疼痛,腫脹,発赤が出現した.10月20日初診し,血清尿酸値は11.0mg/dl で X 線では DIP 関節面掌側の punched out lesion 様の骨透亮像をみとめ,10月31日手術を行った.皮下組織直下に白色のチョーク様物質があり,これは掌側の骨欠損部にも充満していたので可及的に掻爬し,DIP 関節固定をした.この白色物質は偏光顕微鏡で針状結晶が認められ,成分は尿酸 Na 塩であった.以上から痛風結節と診断した.【考察】本症例はループ利尿薬常用による高尿酸血症が一因となった痛風結節である.高尿酸血症に対する治療が必要であるが,疼痛や関節破壊などがあれば外科的治療の適応である. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.56.116 |