養殖カンパチで発生しているVibrio anguillarum J-O-1型感染症

市販のJ-O-3型ビブリオ病ワクチンを投与した養殖カンパチで眼球突出,眼球白濁,頭部上皮組織の剥離および鰓蓋発赤の症状を呈する疾病が発生した。死亡魚から分離した細菌はAPE20E,抗Vibrio anguillarum J-O-1 ウサギ血清への凝集反応,ビブリオ属細菌同定用マルチプレックスPCRおよび16S rRNA配列の解析からV. anguillarum J-O-1型に同定された。分離細菌は感染実験によりカンパチに病原性を示すことが確認された。また,分離細菌を用いて作製したホルマリン不活化ワクチンでカンパチを免疫して攻撃実験を行った結果,対照区と比べ免疫区は有意に死亡率が低かった。カンパ...

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Published in魚病研究 Vol. 57; no. 4; pp. 131 - 135
Main Authors 南, 隆之, 西木, 一生, 廣川, 祐介, 俵, 佑誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本魚病学会 15.01.2023
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ISSN0388-788X
1881-7335
DOI10.3147/jsfp.57.131

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Summary:市販のJ-O-3型ビブリオ病ワクチンを投与した養殖カンパチで眼球突出,眼球白濁,頭部上皮組織の剥離および鰓蓋発赤の症状を呈する疾病が発生した。死亡魚から分離した細菌はAPE20E,抗Vibrio anguillarum J-O-1 ウサギ血清への凝集反応,ビブリオ属細菌同定用マルチプレックスPCRおよび16S rRNA配列の解析からV. anguillarum J-O-1型に同定された。分離細菌は感染実験によりカンパチに病原性を示すことが確認された。また,分離細菌を用いて作製したホルマリン不活化ワクチンでカンパチを免疫して攻撃実験を行った結果,対照区と比べ免疫区は有意に死亡率が低かった。カンパチで確認されたV. anguillarum J-O-1型感染症はホルマリン不活化菌体の免疫で予防できる可能性が示された。
ISSN:0388-788X
1881-7335
DOI:10.3147/jsfp.57.131