新視覚障害認定基準におけるゴールドマン型視野計と自動視野計による等級の比較

【目的】2018年7月に改訂された視覚障害認定基準で、ゴールドマン視野(GP)検査とハンフリー視野(HFA)検査の結果を基に等級を判定し比較検討する。【対象及び方法】対象は、大阪医科大学附属病院眼科にて経過観察中で視野障害を有し、身障手帳の取得・再認定のために2018年4月~2019年5月にGP検査とHFA検査を行った120名。各症例をGPとHFAで等級が一致した群、GPで等級が重い群、HFAで等級が重い群の3群に分け、それぞれの特徴を検討した。【結果】全体ではGPで判定した等級とHFAで判定した等級に有意差は認められなかった(p=0.065、Wilcoxon符号付き順位検定)。GPとHFAで...

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Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 49; pp. 81 - 89
Main Authors 戸成, 匡宏, 真野, 清佳, 稲垣, 恵子, 菅澤, 淳, 中村, 桂子, 西川, 優子, 阿部, 史絵, 清水, みはる, 南, 稔浩, 飯田, 朋美, 濵村, 美恵子, 筒井, 亜由美, 松尾, 純子, 池田, 恒彦, 稲泉, 令巳子, 金本, 菜都美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 2020
日本視能訓練士協会
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ISSN0387-5172
1883-9215
DOI10.4263/jorthoptic.49F109

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Summary:【目的】2018年7月に改訂された視覚障害認定基準で、ゴールドマン視野(GP)検査とハンフリー視野(HFA)検査の結果を基に等級を判定し比較検討する。【対象及び方法】対象は、大阪医科大学附属病院眼科にて経過観察中で視野障害を有し、身障手帳の取得・再認定のために2018年4月~2019年5月にGP検査とHFA検査を行った120名。各症例をGPとHFAで等級が一致した群、GPで等級が重い群、HFAで等級が重い群の3群に分け、それぞれの特徴を検討した。【結果】全体ではGPで判定した等級とHFAで判定した等級に有意差は認められなかった(p=0.065、Wilcoxon符号付き順位検定)。GPとHFAで等級が一致したA群:79例66%、GPで等級が重いB群:12例10%、HFAで等級が重いC群:29例24%であった。2級と5級のような大きな乖離が見られたのは、B群で9例、C群で13例であった。GPで等級が重い群は、中心視野がⅠ/4で両眼80度以内に狭窄しており周辺にも残存している例であった。HFAで等級が重い群は、垂直同名半盲例や、片眼でも中心の視野角度がⅠ/4で80度を超えてしまうが全体的に狭窄している例であった。【結論】GPとHFAで等級が一致するものが多かったが、等級が異なる例も見られたことから、判定に際しては個々の症例の生活の不自由度を配慮し、より適切な方法を選択することが望ましい。
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.49F109