胸腰椎固定術を施行された関節リウマチ患者の臨床的特徴
【目的】薬物治療の進歩に伴い,関節リウマチ(以下RA)の手術適応は変化している.胸腰椎の固定術を必要とするRA患者の臨床像を検討した.【対象・方法】2001年-2020年に脊椎固定術を施行されたRA患者129例を対象とし,患者背景としてRA罹患歴,人工関節手術の既往,生物学的製剤(bDMARDs)使用歴,術前CRP値を評価し,X線で側弯・辷り・骨折の有無を検討した.【結果】手術時平均年齢は67歳,RA罹患歴18年,20%がbDMARDsを施行し,25%に人工関節置換術の既往があり,術前CRP値は0.63 mg/dLであった.病態として側弯,辷り,骨折がそれぞれ31,33,16%であった.前期(...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 72; no. 4; pp. 746 - 748 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2023
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Summary: | 【目的】薬物治療の進歩に伴い,関節リウマチ(以下RA)の手術適応は変化している.胸腰椎の固定術を必要とするRA患者の臨床像を検討した.【対象・方法】2001年-2020年に脊椎固定術を施行されたRA患者129例を対象とし,患者背景としてRA罹患歴,人工関節手術の既往,生物学的製剤(bDMARDs)使用歴,術前CRP値を評価し,X線で側弯・辷り・骨折の有無を検討した.【結果】手術時平均年齢は67歳,RA罹患歴18年,20%がbDMARDsを施行し,25%に人工関節置換術の既往があり,術前CRP値は0.63 mg/dLであった.病態として側弯,辷り,骨折がそれぞれ31,33,16%であった.前期(2001-2010年:n=46)と後期(2011-2020年:n=84)で比較すると,年齢やRA罹患歴,人工関節の既往は同等だが,後期では側弯とすべりに対する手術数が増加し,bDMARDs使用の増加を認めた.【結論】RAにおける胸腰椎固定術は増加しており,RA患者の求めるQOLが高くなっていることが示唆された. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.72.746 |