感染性脊椎炎に対するMIStを活かした治療戦略

【目的】感染性脊椎炎に対する最小侵襲脊椎安定術(Minimally invasive spine stabilization: MISt)の有用性を報告する.【対象】2012~2015年に本症に対してMIStを行った9例.起炎菌,罹患高位,手術までの日数,入院期間,術後CRP陰性化までの期間等を検討した.【結果】手術までの平均日数は21日,入院期間は平均89日,術後CRP陰性化までの期間は平均34日,骨癒合は8例中3例に認め,全例で感染の鎮静化を得た.【考察】従来,本症に対するインストゥルメント固定術は否定的であった.インプラントが筋組織に被覆され感染局所と交通しないMIStを活かした治療戦略...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 65; no. 3; pp. 423 - 428
Main Authors 上原, 慎平, 嶋, 勇一郎, 渡邊, 哲也, 山下, 彰久, 白澤, 建藏, 矢野, 良平, 橋川, 和弘, 原田, 岳, 千住, 隆博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2016
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.65.423

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Summary:【目的】感染性脊椎炎に対する最小侵襲脊椎安定術(Minimally invasive spine stabilization: MISt)の有用性を報告する.【対象】2012~2015年に本症に対してMIStを行った9例.起炎菌,罹患高位,手術までの日数,入院期間,術後CRP陰性化までの期間等を検討した.【結果】手術までの平均日数は21日,入院期間は平均89日,術後CRP陰性化までの期間は平均34日,骨癒合は8例中3例に認め,全例で感染の鎮静化を得た.【考察】従来,本症に対するインストゥルメント固定術は否定的であった.インプラントが筋組織に被覆され感染局所と交通しないMIStを活かした治療戦略とは,菌の同定→抗菌薬投与→2週後に抗菌薬反応不良群,反応良好でもCRPが遷延すればMIStを行うものである.【結論】MIStを活かせば低侵襲に早期離床,感染鎮静化,骨癒合促進,変形予防が可能と考える.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.65.423