後骨間神経麻痺症状を呈した神経痛性筋萎縮症に腱移行術を行った2症例
神経痛性筋萎縮症の特徴は頚部・肩甲・上腕部の強い疼痛が急発症し,続いて運動神経麻痺と筋萎縮が生じることである.原因は腕神経叢炎などに加え近年は末梢神経のくびれも注目されている.今回,肩甲上肢帯の疼痛で発症し,のちに後骨間神経麻痺症状を呈した74歳と54歳の2例を経験した.発症5,8ヶ月で当科初診し,主に後骨間神経麻痺症状を呈していたが前腕伸側および小指球・骨間筋の筋萎縮も残存していた.肘関節付近に明らかなTinel徴候はなく神経のくびれは否定的であった.尺骨神経症状も合併していたため単神経炎より腕神経叢炎と考えた.保存療法は無効であり,年齢も考慮し発症後6,9ヶ月で神経剥離術は行わず腱移行術(...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 64; no. 3; pp. 555 - 557 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2015
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.64.555 |
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Summary: | 神経痛性筋萎縮症の特徴は頚部・肩甲・上腕部の強い疼痛が急発症し,続いて運動神経麻痺と筋萎縮が生じることである.原因は腕神経叢炎などに加え近年は末梢神経のくびれも注目されている.今回,肩甲上肢帯の疼痛で発症し,のちに後骨間神経麻痺症状を呈した74歳と54歳の2例を経験した.発症5,8ヶ月で当科初診し,主に後骨間神経麻痺症状を呈していたが前腕伸側および小指球・骨間筋の筋萎縮も残存していた.肘関節付近に明らかなTinel徴候はなく神経のくびれは否定的であった.尺骨神経症状も合併していたため単神経炎より腕神経叢炎と考えた.保存療法は無効であり,年齢も考慮し発症後6,9ヶ月で神経剥離術は行わず腱移行術(津下変法)を行った. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.64.555 |