整形外科入院患者に発生した急性胆嚢炎の考察
当院整形外科で入院した患者に発生した急性胆嚢炎について調査した.2002年1月1日から2012年12月31日まで,整形外科入院中に胆嚢炎を併発した12症例について調査した.年齢平均76.8歳.発症までの期間は平均15.9日であった.5例に保存治療を行い,1例にERCP,6例に緊急胆嚢摘出術が試行された.転機は11例が合併症なく回復したが,1例敗血症性ショックで死亡した.急性胆嚢炎の予防は,胆嚢壁の虚血を防ぐため早期治療による全身状態の改善と,早期の経口栄養の開始,臥床状態の短縮で胆嚢にかかる負担を軽減することである.発症後診断の遅れから,重篤な経過をとらないために,合併症としての急性胆嚢炎を認...
Saved in:
Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 63; no. 1; pp. 111 - 114 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.03.2014
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.63.111 |
Cover
Summary: | 当院整形外科で入院した患者に発生した急性胆嚢炎について調査した.2002年1月1日から2012年12月31日まで,整形外科入院中に胆嚢炎を併発した12症例について調査した.年齢平均76.8歳.発症までの期間は平均15.9日であった.5例に保存治療を行い,1例にERCP,6例に緊急胆嚢摘出術が試行された.転機は11例が合併症なく回復したが,1例敗血症性ショックで死亡した.急性胆嚢炎の予防は,胆嚢壁の虚血を防ぐため早期治療による全身状態の改善と,早期の経口栄養の開始,臥床状態の短縮で胆嚢にかかる負担を軽減することである.発症後診断の遅れから,重篤な経過をとらないために,合併症としての急性胆嚢炎を認識し,早期精査加療を心がけるべきである. |
---|---|
ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.63.111 |