横紋筋融解症による両下腿外側コンパートメント症候群の1例

【症例】23歳男性.サッカーの試合中に両下腿外側の張りと疼痛を自覚,持続するため当科を受診した.その後,足背から母趾にかけてのしびれ,感覚低下に加え,足関節および足趾の背屈減弱を認めた.検査所見としてCPK高値に加えミオグロビン尿を認め,横紋筋融解症を疑い輸液負荷を開始した.MRIではT2強調像で両下腿外側コンパートメントは高信号を呈し腫脹していた.コンパートメント症候群の診断で減張切開を施行したところ,速やかに疼痛は軽減した.その後のリハビリにより,可動域,筋力ともに改善傾向である.【まとめ】本症例のように外傷なく運動のみにより引き起こされた横紋筋融解症の報告は多くなく,さらに両下腿外側に限...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 64; no. 4; pp. 694 - 696
Main Authors 田籠, 泰明, 阿南, 敦子, 西野, 剛史, 生田, 拓也, 北村, 歳男, 西岡, 宏晃
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2015
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.64.694

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Summary:【症例】23歳男性.サッカーの試合中に両下腿外側の張りと疼痛を自覚,持続するため当科を受診した.その後,足背から母趾にかけてのしびれ,感覚低下に加え,足関節および足趾の背屈減弱を認めた.検査所見としてCPK高値に加えミオグロビン尿を認め,横紋筋融解症を疑い輸液負荷を開始した.MRIではT2強調像で両下腿外側コンパートメントは高信号を呈し腫脹していた.コンパートメント症候群の診断で減張切開を施行したところ,速やかに疼痛は軽減した.その後のリハビリにより,可動域,筋力ともに改善傾向である.【まとめ】本症例のように外傷なく運動のみにより引き起こされた横紋筋融解症の報告は多くなく,さらに両下腿外側に限局したコンパートメント症候群が引き起こされた症例はまれである.患肢機能予後のためには速やかな診断,治療を要する.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.64.694