橈骨神経麻痺を合併した上腕骨骨幹部骨折に対する前方MIPO法による治療経験

〈はじめに〉受傷時に橈骨神経麻痺を合併していた上腕骨骨幹部骨折に対しては当科では前方MIPO法による骨接合を第1選択として行い,橈骨神経麻痺はまず保存的に経過を見ることとしている.〈症例〉症例1:26歳男性.3階の高さから転落受傷(AO分類12-B1).症例2:46歳女性.右上腕部を家具で挟撃され受傷(AO分類12-B2).いずれの症例も非開放性骨折で前方MIPO法により骨接合を行い良好な骨癒合が得られた.また橈骨神経の展開は行わず,3カ月で麻痺の改善傾向が見られた.〈考察〉非開放性上腕骨骨幹部骨折に続発する橈骨神経麻痺の多くは自然軽快し,早期の展開は予後を改善し得ないと報告されている.〈結論...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 66; no. 3; pp. 484 - 486
Main Authors 中村, 郁也, 田口, 憲士, 上木, 智博, 三溝, 和貴, 宮本, 俊之, 森, 圭介, 尾﨑, 誠, 福島, 達也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2017
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.66.484

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Summary:〈はじめに〉受傷時に橈骨神経麻痺を合併していた上腕骨骨幹部骨折に対しては当科では前方MIPO法による骨接合を第1選択として行い,橈骨神経麻痺はまず保存的に経過を見ることとしている.〈症例〉症例1:26歳男性.3階の高さから転落受傷(AO分類12-B1).症例2:46歳女性.右上腕部を家具で挟撃され受傷(AO分類12-B2).いずれの症例も非開放性骨折で前方MIPO法により骨接合を行い良好な骨癒合が得られた.また橈骨神経の展開は行わず,3カ月で麻痺の改善傾向が見られた.〈考察〉非開放性上腕骨骨幹部骨折に続発する橈骨神経麻痺の多くは自然軽快し,早期の展開は予後を改善し得ないと報告されている.〈結論〉前方MIPO法は,後方アプローチと比較して低侵襲で,医原性橈骨神経損傷のリスクも低く,橈骨神経麻痺を伴った上腕骨骨幹部骨折に有用なアプローチである.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.66.484