蛍光および化学発光タンパク質の様々な応用
「1. 蛍光タンパク質」「1-1 βcan構造をとる蛍光タンパク質」オワンクラゲAequorea Victoriaから世界で初めて単離された緑色蛍光タンパク質GFP (green fluorescent protein)は, 238アミノ酸残基から構成され, 中心に位置する一本のαへリックスを11本のβストランドが取り囲んだいわゆる"βcan"構造をとっている. その発色団p-hydroxybenzylideneimidazolinoneは, タンパク質フォールディングの後, αヘリックス内にある65番目から67番目のセリン, チロシン, グリシンが, 自発的に進行する環化...
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Published in | 生物物理 Vol. 55; no. 6; pp. 305 - 310 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本生物物理学会
2015
日本生物物理学会 |
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ISSN | 0582-4052 1347-4219 |
DOI | 10.2142/biophys.55.305 |
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Summary: | 「1. 蛍光タンパク質」「1-1 βcan構造をとる蛍光タンパク質」オワンクラゲAequorea Victoriaから世界で初めて単離された緑色蛍光タンパク質GFP (green fluorescent protein)は, 238アミノ酸残基から構成され, 中心に位置する一本のαへリックスを11本のβストランドが取り囲んだいわゆる"βcan"構造をとっている. その発色団p-hydroxybenzylideneimidazolinoneは, タンパク質フォールディングの後, αヘリックス内にある65番目から67番目のセリン, チロシン, グリシンが, 自発的に進行する環化, 脱水, 酸化の3反応を経て形成される. GFPの緑色蛍光(蛍光極大: 510nm)は, 発色団のπ電子分布を変化させることでシフトする. 例えば, YFP (yellow fluorescent protein)は, 発色団に近接する203番目のスレオニンをがチロシンに置換された結果, その側鎖のフェノール環と発色団のフェノール環の間で生じるπ-πスタッキングによりπ電子が非局在化し, 長波長へシフトした黄緑色蛍光(蛍光極大: 530nm)を発する. |
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ISSN: | 0582-4052 1347-4219 |
DOI: | 10.2142/biophys.55.305 |