当院にて治療した脱分化型軟骨肉腫の5例
【背景】脱分化型骨肉腫(DCS)は非常に稀で,予後不良の疾患である.当院で治療した5例の経過と予後について報告する.【対象】2016年から2021年まで当院にて治療したDCS 5例を対象とした.診断時平均年齢は70歳(60-83歳)で,全て女性であった.【結果】経過観察期間の中央値は18か月(7-52か月),発生部位は大腿骨3例,第9胸椎1例,第9肋骨1例.初期治療は全て外科的切除を行い,唯一初診時に遠隔転移を認めた肋骨例では転移巣合併切除も行った.胸椎例では重粒子線治療も併用した.4例で遠隔転移を認め,3例で局所再発も生じた.再発・転移を認めた1例に対し,放射線治療および化学療法を行い,41...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 4; pp. 755 - 758 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2022
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.71.755 |
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Summary: | 【背景】脱分化型骨肉腫(DCS)は非常に稀で,予後不良の疾患である.当院で治療した5例の経過と予後について報告する.【対象】2016年から2021年まで当院にて治療したDCS 5例を対象とした.診断時平均年齢は70歳(60-83歳)で,全て女性であった.【結果】経過観察期間の中央値は18か月(7-52か月),発生部位は大腿骨3例,第9胸椎1例,第9肋骨1例.初期治療は全て外科的切除を行い,唯一初診時に遠隔転移を認めた肋骨例では転移巣合併切除も行った.胸椎例では重粒子線治療も併用した.4例で遠隔転移を認め,3例で局所再発も生じた.再発・転移を認めた1例に対し,放射線治療および化学療法を行い,41か月でDead of Diseaseとなった.最終転帰はComplete Disease Free 1例(生存期間52か月),Alive With Disease 2例(7,17か月),Dead of Disease 2例(11,41か月)であった.【考察】化学療法を施行した例は生存期間が41か月と,Complete Disease Freeを除いた4例の中で最長であった.高齢発症が多いDCSであるが,近年化学療法の有効性が示唆されており,今後も検討する余地があると考える. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.71.755 |