踵骨に発生した類骨骨腫の1例

類骨骨腫は若年者に多く発生する有痛性の良性骨腫瘍であり,下肢長管骨に好発すると言われている.腫瘍サイズが小さいため,XPではわかりにくく,初期には関節炎様症状を呈することから,診断に時間を有することも多い.今回我々は比較的稀とされている踵骨に発生した類骨骨腫の1例を経験したので報告する.症例は37歳女性.左足部内側の痛みが持続していたが,妊娠中であったため鎮痛剤のみで経過を見られていた.症状改善ないため,局所のMRIを撮影し,左踵骨骨髄炎が疑われた為当科紹介となった.CTにてnidusを認め類骨骨腫と診断した.保存的加療で症状改善認めなかったため,手術施行した.手術はOsteochondral...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 4; pp. 751 - 754
Main Authors 井上, 三四郎, 増田, 圭吾, 鶴, 翔平, 岩崎, 元気, 原野, 理沙, 藤井, 勇樹, 阿久根, 広宣, 菊池, 直士, 丸塚, 浩助, 中村, 良
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2022
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.71.751

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Summary:類骨骨腫は若年者に多く発生する有痛性の良性骨腫瘍であり,下肢長管骨に好発すると言われている.腫瘍サイズが小さいため,XPではわかりにくく,初期には関節炎様症状を呈することから,診断に時間を有することも多い.今回我々は比較的稀とされている踵骨に発生した類骨骨腫の1例を経験したので報告する.症例は37歳女性.左足部内側の痛みが持続していたが,妊娠中であったため鎮痛剤のみで経過を見られていた.症状改善ないため,局所のMRIを撮影し,左踵骨骨髄炎が疑われた為当科紹介となった.CTにてnidusを認め類骨骨腫と診断した.保存的加療で症状改善認めなかったため,手術施行した.手術はOsteochondral Autograft Transfer System(以下OATS;[Arthrex])を用いてnidusとその周囲の骨を一塊として摘出した.術後1年で再発は認めていない.本症例は確定診断までに約20カ月を要し,診断のためにCTでのnidusの同定が有用であった.また,OATSを使用したことで,最小限の骨切除でnidus切除が可能であった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.751