大腿骨転子部骨折における髄腔径と髄内釘遠位径のミスマッチについての検討
【目的】大腿骨転子部骨折に対するshort femoral nailによる骨接合術において髄腔径と髄内釘遠位径の差(ミスマッチ)と髄内釘内反の有無,lag screwのsliding量,頚体角の変化との関連について検討する.【方法】2019年8月から2020年7月までに当院で大腿骨転子部骨折に対してinterTAN standard nailにより骨接合術を行った55例を対象とした.検討項目は術直後単純X線前後像におけるミスマッチ量,術後の頚体角の変化,lag screwのsliding量,髄内釘内反の有無とした.ミスマッチ量が2mm以上の症例をm群,2mm未満の症例をn群とした.【結果】m群...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 70; no. 3; pp. 496 - 499 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2021
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.70.496 |
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Summary: | 【目的】大腿骨転子部骨折に対するshort femoral nailによる骨接合術において髄腔径と髄内釘遠位径の差(ミスマッチ)と髄内釘内反の有無,lag screwのsliding量,頚体角の変化との関連について検討する.【方法】2019年8月から2020年7月までに当院で大腿骨転子部骨折に対してinterTAN standard nailにより骨接合術を行った55例を対象とした.検討項目は術直後単純X線前後像におけるミスマッチ量,術後の頚体角の変化,lag screwのsliding量,髄内釘内反の有無とした.ミスマッチ量が2mm以上の症例をm群,2mm未満の症例をn群とした.【結果】m群は29例,n群は26例であった.髄内釘の内反はm群で4例認められ,n群と比較して有意に多かった(p<0.05).sliding量についてm群で3.0mm,n群で2.3mm(p=0.08),頚体角の減少についてm群で3.5°,n群で3.1°であった(p=0.43).【考察】髄腔径と髄内釘遠位径のミスマッチ量が大きいと術後に髄内釘の内反が引き起こされる可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.70.496 |