急性期病院の立場からみた脳卒中地域連携クリティカルパスと回復期リハビリテーション
急性期病院における脳卒中リハビリテーション(リハ)に携わる立場から,地域連携パスを用いて回復期リハ病院へ転院した脳卒中患者240名を対象に,その回収状況や記載不備を調査するとともに,転院時の身体機能・認知機能,回復期リハ病院での改善状況と転帰などについて調査した.その結果,204名(85.0%)の地域連携パスが回収されたが,急性期病院で46件(22.5%),回復期病院で34件(16.2%)の地域連携パスに記載不備を認めた.回復期リハ病院へ転院までの期間は29.5 ± 14.2日,回復期リハ病院での平均在院日数は101.1 ± 57.0日で,退院後の転帰は,自宅145名(74.5%),療養型病棟...
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Published in | 脳卒中 Vol. 32; no. 4; pp. 357 - 364 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
2010
日本脳卒中学会 |
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ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.32.357 |
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Summary: | 急性期病院における脳卒中リハビリテーション(リハ)に携わる立場から,地域連携パスを用いて回復期リハ病院へ転院した脳卒中患者240名を対象に,その回収状況や記載不備を調査するとともに,転院時の身体機能・認知機能,回復期リハ病院での改善状況と転帰などについて調査した.その結果,204名(85.0%)の地域連携パスが回収されたが,急性期病院で46件(22.5%),回復期病院で34件(16.2%)の地域連携パスに記載不備を認めた.回復期リハ病院へ転院までの期間は29.5 ± 14.2日,回復期リハ病院での平均在院日数は101.1 ± 57.0日で,退院後の転帰は,自宅145名(74.5%),療養型病棟13名(6.8%),介護施設29名(15.1%),その他7名(3.6%)であった.回復期病棟での平均在院日数ならびにADLの改善は,転出した回復期リハ病院間で明らかな違いがみられた.以上より,地域連携パスを用いた全ての医療機関で,データの蓄積や解析などに関する共通の認識が必要であり,急性期病院のリハに携わるものが,連携パスを通じて,積極的にリハの質的向上に関与していく必要がある. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.32.357 |