血栓回収術後中大脳動脈の窓形成が判明した1 例

【目的】急性期脳塞栓症に対し,血栓回収術を行い再開通が得られた後,中大脳動脈の窓形成が判明した稀な症例を経験したので報告する.【症例】症例は65 歳男性.突然の左片麻痺を認め,MRI により右内頸動脈閉塞症と診断された.血栓溶解療法後に,脳血管撮影を行うとMRA 上閉塞していた内頸動脈は一部再開通しており中大脳動脈に血栓様陰影を認めた.引き続いて行った血栓回収術により再開通が得られたが,窓形成を伴った中大脳動脈を認めた.患者は術後に症状の改善がみられ発症11 日目に自宅退院となった.【結論】中大脳動脈の窓形成は非常に稀であるが,血栓回収術を行うときには念頭に置き治療を行う必要がある....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳卒中 Vol. 40; no. 5; pp. 372 - 376
Main Authors 樋渡, 貴昭, 西牟田, 洋介, 山田, 正彦, 川原, 団, 時村, 洋, 友杉, 哲三, 石井, 毅, 森, 正如
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2018
日本脳卒中学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.10575

Cover

More Information
Summary:【目的】急性期脳塞栓症に対し,血栓回収術を行い再開通が得られた後,中大脳動脈の窓形成が判明した稀な症例を経験したので報告する.【症例】症例は65 歳男性.突然の左片麻痺を認め,MRI により右内頸動脈閉塞症と診断された.血栓溶解療法後に,脳血管撮影を行うとMRA 上閉塞していた内頸動脈は一部再開通しており中大脳動脈に血栓様陰影を認めた.引き続いて行った血栓回収術により再開通が得られたが,窓形成を伴った中大脳動脈を認めた.患者は術後に症状の改善がみられ発症11 日目に自宅退院となった.【結論】中大脳動脈の窓形成は非常に稀であるが,血栓回収術を行うときには念頭に置き治療を行う必要がある.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.10575