活性型第X 因子阻害薬服用中に小脳出血を繰り返した1 例
要旨:今回われわれはリバーロキサバン内服後に両側小脳出血を呈したため,アピキサバンに変更したが,再度小脳出血を呈した症例を経験した.症例は78 歳男性.非弁膜症性発作性心房細動に対し,リバーロキサバン内服を開始した.その4 カ月後に突然の吐き気,めまいが出現し,頭部CTで左小脳陳旧性出血と右小脳急性出血を認めた.リバーロキサバン内服を中止し,保存的加療により症状改善した.その後,アピキサバン内服に変更したが,服用開始6 日後に吐き気,めまいが出現した.頭部CT で両側小脳出血の再発を認めた.血腫は増大傾向であったため,内視鏡下穿頭血腫除去術を施行した.術後,症状は改善し,心房細動は認めないため...
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Published in | 脳卒中 Vol. 37; no. 4; pp. 236 - 240 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
2015
日本脳卒中学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.10302 |
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Summary: | 要旨:今回われわれはリバーロキサバン内服後に両側小脳出血を呈したため,アピキサバンに変更したが,再度小脳出血を呈した症例を経験した.症例は78 歳男性.非弁膜症性発作性心房細動に対し,リバーロキサバン内服を開始した.その4 カ月後に突然の吐き気,めまいが出現し,頭部CTで左小脳陳旧性出血と右小脳急性出血を認めた.リバーロキサバン内服を中止し,保存的加療により症状改善した.その後,アピキサバン内服に変更したが,服用開始6 日後に吐き気,めまいが出現した.頭部CT で両側小脳出血の再発を認めた.血腫は増大傾向であったため,内視鏡下穿頭血腫除去術を施行した.術後,症状は改善し,心房細動は認めないため,抗凝固薬は中止している.活性型Xa 阻害薬はワルファリンと比較し有意に頭蓋内出血が少ないが,本症例のように再出血を来すこともあり注意が必要である. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.10302 |