地域で働く保健師・栄養士の抱えるパワーレスの実態について
目的: 地域保健に従事する専門職種である保健師・栄養士が, 自らの生活や職場のどのような場面において, パワーレスになっているのかの実態を探り, 地域保健に従事する専門職種の資質向上のための方策を検討することを目的とした. 方法: 平成13年11月から12月にかけて, T県及T県の市町村に勤務する保健師・栄養士495人を対象に, 自記式質問紙配票郵送調査を実施した.回収率は88.9%であった. 結果: 1.対象者の約60%は, 仕事に対し志気の低下を経験していた.仕事の効果に疑問や無力感を持ったり, マンネリ化を感じていた.他方, 日常業務で困難に出会った時に, 約95%の者は積極的対処行動を...
Saved in:
Published in | Japanese Journal of Health Education and Promotion Vol. 15; no. 2; pp. 100 - 109 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本健康教育学会
2007
JAPANESE SOCIETY OF HEALTH EDUCATION AND PROMOTION |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-2560 1884-5053 |
DOI | 10.11260/kenkokyoiku1993.15.100 |
Cover
Summary: | 目的: 地域保健に従事する専門職種である保健師・栄養士が, 自らの生活や職場のどのような場面において, パワーレスになっているのかの実態を探り, 地域保健に従事する専門職種の資質向上のための方策を検討することを目的とした. 方法: 平成13年11月から12月にかけて, T県及T県の市町村に勤務する保健師・栄養士495人を対象に, 自記式質問紙配票郵送調査を実施した.回収率は88.9%であった. 結果: 1.対象者の約60%は, 仕事に対し志気の低下を経験していた.仕事の効果に疑問や無力感を持ったり, マンネリ化を感じていた.他方, 日常業務で困難に出会った時に, 約95%の者は積極的対処行動をとっていた. 2.無力感の原因には業務量の多さ, 上司の理解不足が高率を占めた.欲しかったサポートには上司, 同僚の理解や共に考えることができる職場環境が挙げられた. 3.自尊感情が高得点の者は, 身近な人ができたのを見たり (代理経験) , 上司や同僚に言葉に出してほめられたり, 応援されているのを見て, 自分もできそうだ (言語的賞賛) と答えていた. 4.業務の自信度は, 全体的に経験年数と正比例の関係であったが, パソコンを用いてのデーター分析・解析に関する業務のみ逆であった. 結論: これらの結果を踏まえて, 職場内の支援体制づくりや仕事を通じた職業能力を高める研修・指導の必要性が確認された. |
---|---|
ISSN: | 1340-2560 1884-5053 |
DOI: | 10.11260/kenkokyoiku1993.15.100 |