整形外科手術の SSIリスクファクター

整形外科領域は人工関節置換術,脊椎手術,骨折手術といったさまざまな術式があるため,術式ごとに手術部位感染(SSI)リスクを論じる必要がある。また整形外科手術は他科と異なり,インプラントを使用することが多く,感染がインプラントに及んだ場合,インプラントを抜去せざるを得ない症例も存在する。インプラント抜去は,四肢や体幹の支持機構を失うため,患者の quality of lifeを著しく損なう。本編では最新のシステマティックレビューやメタ解析が行われた文献をもとに,人工関節置換術,脊椎手術,骨折手術のそれぞれの SSIリスクを検討した。糖尿病,肥満,貧血,喫煙,飲酒,低栄養などのエビデンスレベルが高...

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Published in日本外科感染症学会雑誌 Vol. 16; no. 1; pp. 60 - 70
Main Authors 木幡, 一博, 山田, 浩司, 永田, 向生, 大野, 久美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本外科感染症学会 30.03.2019
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ISSN1349-5755
2434-0103
DOI10.24679/gekakansen.16.1_60

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Summary:整形外科領域は人工関節置換術,脊椎手術,骨折手術といったさまざまな術式があるため,術式ごとに手術部位感染(SSI)リスクを論じる必要がある。また整形外科手術は他科と異なり,インプラントを使用することが多く,感染がインプラントに及んだ場合,インプラントを抜去せざるを得ない症例も存在する。インプラント抜去は,四肢や体幹の支持機構を失うため,患者の quality of lifeを著しく損なう。本編では最新のシステマティックレビューやメタ解析が行われた文献をもとに,人工関節置換術,脊椎手術,骨折手術のそれぞれの SSIリスクを検討した。糖尿病,肥満,貧血,喫煙,飲酒,低栄養などのエビデンスレベルが高かった。介入可能なリスクはなるべく早期にスクリーニングを介することでリスクを軽減する必要がある。
ISSN:1349-5755
2434-0103
DOI:10.24679/gekakansen.16.1_60