モンテカルロシミュレーションを用いた肺炎球菌感染が疑われる高齢者におけるレボフロキサシン適正用量の検討
「緒言」近年, 耐性菌発現の防止, 感染症治療の有効性向上の観点から, 抗菌薬の投与方法に薬物動態(Pharmacokinetics:以下, PKと略す)と薬力学(Pharmacodynamics:以下, PDと略す)の理論を用いた適正使用の検討が行われている. ニューキノロン系抗菌薬の投与設計においてもPK-PD理論の有用性が報告され1), 有効性の評価に最も相関性の高いパラメータは血中濃度-時間下曲線下面積(Area Under the Concentration-Time Curve:以下, AUCと略す)/最小発育阻止濃度(Minimum Inhibitory Concentratio...
Saved in:
Published in | 医療薬学 Vol. 36; no. 8; pp. 592 - 598 |
---|---|
Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
2010
日本医療薬学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.36.592 |
Cover
Summary: | 「緒言」近年, 耐性菌発現の防止, 感染症治療の有効性向上の観点から, 抗菌薬の投与方法に薬物動態(Pharmacokinetics:以下, PKと略す)と薬力学(Pharmacodynamics:以下, PDと略す)の理論を用いた適正使用の検討が行われている. ニューキノロン系抗菌薬の投与設計においてもPK-PD理論の有用性が報告され1), 有効性の評価に最も相関性の高いパラメータは血中濃度-時間下曲線下面積(Area Under the Concentration-Time Curve:以下, AUCと略す)/最小発育阻止濃度(Minimum Inhibitory Concentration:以下, MICと略す)値と考えられている2). 実際, 肺炎球菌に対してはAUC/MIC≧25を達成することが十分な有効性を得るための指標であると報告されている3). レボフロキサシン(以下, LVFXと略す)は, 広い抗菌スペクトラムならびに優れた安全性を有する抗菌薬として幅広く各診療科で使用されている4-6). |
---|---|
ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.36.592 |