微小管関連蛋白及び微小管依存性モーター蛋白遺伝子欠失マウスの作製とその分子細胞生物学的解析

細胞骨格の一つである微小管は細胞分裂のみならず, 非分裂期の細胞でも重要な役割を果たす. その一つは細胞の構造を維持する細胞骨格としての役割, もう一つは細胞内の様々な物質を輸送する時のレールとしての役割である. 微小管関連蛋白(MAPs)は微小管に結合して微小管の前者の働きを助け, またモーター蛋白が微小管のレールの上で細胞内の物質輸送を行う事が知られている. 私はこれまでに(1)MAPs及び(2)微小管依存性モーター蛋白の遺伝子のknockoutマウスを作成し, その個体ないし細胞を解析するという手法でこれらの分子の細胞内における機能の解析を行ってきた. MAPsは特に神経の軸索や樹状突起...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 52; no. 2; pp. 139 - 140
Main Author 原田, 彰宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 2002
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ISSN1343-2826
1881-1191
DOI10.2974/kmj.52.139

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Summary:細胞骨格の一つである微小管は細胞分裂のみならず, 非分裂期の細胞でも重要な役割を果たす. その一つは細胞の構造を維持する細胞骨格としての役割, もう一つは細胞内の様々な物質を輸送する時のレールとしての役割である. 微小管関連蛋白(MAPs)は微小管に結合して微小管の前者の働きを助け, またモーター蛋白が微小管のレールの上で細胞内の物質輸送を行う事が知られている. 私はこれまでに(1)MAPs及び(2)微小管依存性モーター蛋白の遺伝子のknockoutマウスを作成し, その個体ないし細胞を解析するという手法でこれらの分子の細胞内における機能の解析を行ってきた. MAPsは特に神経の軸索や樹状突起の伸長, 維持に重要と考えられており, その一つであるタウ蛋白は軸索に多く含まれている. タウが軸索の伸長に重要と考えられていたため, 私はknockoutマウスを作成しその解析を行った1.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.52.139