長野県内で脳卒中を発症した県外出身者の亜急性期転院に関する検討

【目的】県外施設への転院は難航することがある.旅行や出張職務で県外へ訪れた際に,脳卒中を発症した患者の亜急性期転院に関する検討をした.【方法】長野県外の施設へ亜急性期に転院となった県外出身者を対象とした.転院依頼開始から転院までの日数(待機期間)を後ろ向きに調査した.【結果】31施設(69%)から回答があり,対象患者総数は24カ月で295例.脳卒中は51例で内因性疾患の最多(54%)を占めた.8月が最多で,2月が最少であった.病型別で脳出血の比率(41%)が高かった.転院先は,家族(55%),次いで医療ソーシャルワーカー(16%),病院のwebsite情報(12%)の順で探していた.待機期間は...

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Published in脳卒中 Vol. 33; no. 1; pp. 164 - 170
Main Authors 岡元, 和文, 上田, 泰明, 城下, 聡子, 新田, 憲市, 岩下, 具美, 今村, 浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2011
日本脳卒中学会
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.33.164

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Summary:【目的】県外施設への転院は難航することがある.旅行や出張職務で県外へ訪れた際に,脳卒中を発症した患者の亜急性期転院に関する検討をした.【方法】長野県外の施設へ亜急性期に転院となった県外出身者を対象とした.転院依頼開始から転院までの日数(待機期間)を後ろ向きに調査した.【結果】31施設(69%)から回答があり,対象患者総数は24カ月で295例.脳卒中は51例で内因性疾患の最多(54%)を占めた.8月が最多で,2月が最少であった.病型別で脳出血の比率(41%)が高かった.転院先は,家族(55%),次いで医療ソーシャルワーカー(16%),病院のwebsite情報(12%)の順で探していた.待機期間は平均15日で,2週間以上要した割合は疾患別で最大(32%)であった.【結論】出身元の医療体制が分からず,家族やインターネットの情報から転院先を検討し,待機期間が長期になった.地域医療支援病院や日本脳卒中学会認定研修教育病院が仲介となり,県内出身者同様に円滑な転院調整が望まれた.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.33.164