当院で定めた成人両側人工内耳手術の選択基準の妥当性について

要旨 : 当院で定めた成人例の両側人工内耳の選択基準の妥当性について後方視的に検討した。対象は当院の選択基準を満たし手術を施行した例のうち, 音入れ後3, 6, 12カ月のいずれか2ヵ所以上で語音聴力検査を施行し, 且つ装用1年以上経過した11例。今回はスピーカー法による文章了解度の改善, 自覚的評価, 社会参加の状況の改善を評価項目とした。その結果, 11例中10例で満足できる結果となり, 当院の選択基準は概ね妥当であると思われた。残りの1例は70歳代で非良聴耳の失聴期間が28年の例であった。70歳代で良好な結果であった例の失聴期間は最長で10年であった。従って, 今後は, 当院の選択基準に...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 66; no. 6; pp. 544 - 551
Main Authors 藤田, 岳, 柿木, 章伸, 上原, 奈津美, 岩城, 忍, 横井, 純, 丹生, 健一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 28.12.2023
日本聴覚医学会
Subjects
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.66.544

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Summary:要旨 : 当院で定めた成人例の両側人工内耳の選択基準の妥当性について後方視的に検討した。対象は当院の選択基準を満たし手術を施行した例のうち, 音入れ後3, 6, 12カ月のいずれか2ヵ所以上で語音聴力検査を施行し, 且つ装用1年以上経過した11例。今回はスピーカー法による文章了解度の改善, 自覚的評価, 社会参加の状況の改善を評価項目とした。その結果, 11例中10例で満足できる結果となり, 当院の選択基準は概ね妥当であると思われた。残りの1例は70歳代で非良聴耳の失聴期間が28年の例であった。70歳代で良好な結果であった例の失聴期間は最長で10年であった。従って, 今後は, 当院の選択基準に新たに付帯事項として「注) 70歳以上かつ失聴期間10年以上は慎重な検討を要す」をくわえてさらに検討を重ねていく。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.66.544