認知症の地域医療:認知症疾患医療センターとしての取り組み

認知症医療の地域の中核機関として,2008年から,認知症疾患センターの運営事業が開始された。2012年に「認知症施策5か年計画(オレンジプラン)」で示された「認知症になっても地域で生活できる社会」の理念のもと,当院も2010年に疾患センターの指定を受けた。総合病院にある有床精神科として,身体疾患を合併する認知症患者を受け入れる役割をもつ。 これまで医療と地域支援者のあいだで共有できていなかった,入院の適応や入院治療の目的を明瞭にすることが重要であると考えた。また,入院の長期化を防ぐためには,症状の改善が医療的に適切になされ,有効な退院支援が行なわれなければならない。そのために院内,院外の連携に...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 65; no. 2; pp. 144 - 148
Main Author 村田, 志保
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2016
日本農村医学会
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.65.144

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Summary:認知症医療の地域の中核機関として,2008年から,認知症疾患センターの運営事業が開始された。2012年に「認知症施策5か年計画(オレンジプラン)」で示された「認知症になっても地域で生活できる社会」の理念のもと,当院も2010年に疾患センターの指定を受けた。総合病院にある有床精神科として,身体疾患を合併する認知症患者を受け入れる役割をもつ。 これまで医療と地域支援者のあいだで共有できていなかった,入院の適応や入院治療の目的を明瞭にすることが重要であると考えた。また,入院の長期化を防ぐためには,症状の改善が医療的に適切になされ,有効な退院支援が行なわれなければならない。そのために院内,院外の連携に幾つかの工夫を行なった。中でも,リハビリテーションを含めた他職種協働のケアパスを利用して入院介入の質を上げること,医療者が地域に出向くいくつかのアウトリーチ系の取り組みに力を入れ退院支援を早期から行なうことに努めた。
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.65.144