脳卒中治療後患者に対する就労支援リハビリテーションプログラム—回復期リハビリテーション病院における取り組みと短期追跡結果の報告

【背景および目的】急性期病院退院時に“復職意志”を表明した脳卒中患者に,回復期リハビリテーション(リハ)病院の特徴である十分なリハ期間と豊富なリハプログラムを生かした就労支援リハプログラムを行い,その効果を検証した.【方法】職場復帰に必要な4条件,①家庭生活自立機能,②通勤に必要な運動歩行機能,③一般事務作業機能,④発病前の業務を以前と変わらず遂行する脳の機能,をリハにより強化しつつ,勤務先との連携を取り復職を支援した.【結果】対象81例中,評価対象者61例の復職率は,全症例で85.2%,当院入院時mRS別では,mRS2:92.3%,mRS3:77.8%,mRS4:80.8%であった.【結論】...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in脳卒中 Vol. 44; no. 6; pp. 615 - 624
Main Authors 出口, 誠, 田畑, 均, 佐藤, 章, 松谷, 雅生, 喜多村, 孝幸, 就労支援リハビリテーションプログラム実務委員会
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 2022
日本脳卒中学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.11031

Cover

Loading…
More Information
Summary:【背景および目的】急性期病院退院時に“復職意志”を表明した脳卒中患者に,回復期リハビリテーション(リハ)病院の特徴である十分なリハ期間と豊富なリハプログラムを生かした就労支援リハプログラムを行い,その効果を検証した.【方法】職場復帰に必要な4条件,①家庭生活自立機能,②通勤に必要な運動歩行機能,③一般事務作業機能,④発病前の業務を以前と変わらず遂行する脳の機能,をリハにより強化しつつ,勤務先との連携を取り復職を支援した.【結果】対象81例中,評価対象者61例の復職率は,全症例で85.2%,当院入院時mRS別では,mRS2:92.3%,mRS3:77.8%,mRS4:80.8%であった.【結論】脳卒中発症時点のmRS3–4患者の復職率は50%以下の報告が多い中で,本報告復職率は高い.治療後mRS 3–4患者でも,復職意欲があれば復職が可能であり,今後の脳卒中治療体系の中での回復期リハの重要性を示した.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.11031