高脂血症治療に対する薬物療法の処方実態調査

「緒言」現在, わが国の死因の1位はがんであるが, つづく2位の心疾患および3位の脳血管疾患は動脈硬化を基盤とした疾患である. 特に, 狭心症や心筋梗塞といった冠動脈疾患(coronaly heart disease:CHD)の発症頻度は増加傾向にあることから, 動脈硬化の予防および治療が重要な問題となっている. これまでの疫学研究12)から高コレステロール血症がCHDの重要な危険因子であることが立証された. さらに, 欧米諸国では多くの大規模臨床試験により, 脂質低下療法がCHDの1次および2次予防に有効であることが明らかにされている3). そして, これらをもとに高脂血症診療ガイドライン4...

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Published in医療薬学 Vol. 33; no. 9; pp. 781 - 787
Main Authors 安齋, 均, 井上, 忠夫, 萱沼, 智子, 根岸, 悦子, 高尾, 信廣, 西, 裕太郎, 上野, 光一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2007
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.33.781

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Summary:「緒言」現在, わが国の死因の1位はがんであるが, つづく2位の心疾患および3位の脳血管疾患は動脈硬化を基盤とした疾患である. 特に, 狭心症や心筋梗塞といった冠動脈疾患(coronaly heart disease:CHD)の発症頻度は増加傾向にあることから, 動脈硬化の予防および治療が重要な問題となっている. これまでの疫学研究12)から高コレステロール血症がCHDの重要な危険因子であることが立証された. さらに, 欧米諸国では多くの大規模臨床試験により, 脂質低下療法がCHDの1次および2次予防に有効であることが明らかにされている3). そして, これらをもとに高脂血症診療ガイドライン4)が作成され, 日常診療で活用されている. わが国でも2002年に現在の動脈硬化性疾患診療ガイドライン5)に改訂され, CHDの有無や個人のもつ動脈硬化のリスクファクターによって脂質管理治療目標値が設定されている. この治療に対して, 高脂血症治療薬の中でもHMG-CoA還元酵素阻害剤(以下, スタチンと略す)が最も広く使われており, CHDのみならず, 他の動脈硬化性疾患の発症予防にも有効であることが報告されてきた.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.33.781