抗結核薬投与患者における皮疹発現に関する研究

「緒言」結核は主にMycobacterium tuberculosisが原因菌となり発現する全身性疾患である1). わが国では, 罹患率・患者数・死亡数は減少傾向にあるが, 毎年新たに約3万人が発症しており, 先進国の中では日本の罹患率は非常に高く, 高齢者が約40%を占めている2). 結核の治療は, リファンピシン(RFP), イソニアジド(INH), ピラジナミド(PZA), エタンブトール(EB)またはストレプトマイシン(SM)の4剤を併用する初回標準治療法が提唱され3), 現在広く使用されている. 標準治療法として2種の方法がある. 一法は短期強化療法ともいわれ, RFP+INH+PZ...

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Published in医療薬学 Vol. 35; no. 8; pp. 534 - 541
Main Authors 関谷, 律子, 西村, 富啓, 吉田, 久博, 三上, 二郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2009
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.35.534

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Summary:「緒言」結核は主にMycobacterium tuberculosisが原因菌となり発現する全身性疾患である1). わが国では, 罹患率・患者数・死亡数は減少傾向にあるが, 毎年新たに約3万人が発症しており, 先進国の中では日本の罹患率は非常に高く, 高齢者が約40%を占めている2). 結核の治療は, リファンピシン(RFP), イソニアジド(INH), ピラジナミド(PZA), エタンブトール(EB)またはストレプトマイシン(SM)の4剤を併用する初回標準治療法が提唱され3), 現在広く使用されている. 標準治療法として2種の方法がある. 一法は短期強化療法ともいわれ, RFP+INH+PZAにEBまたはSMの4剤併用で2ヵ月間治療した後, RFP+INH(+EB)で4ヵ月間治療する方法である(以下, IREP法と略す), 他法はPZAが使用不可の場合に選択される方法で, RFP+INH+EBまたはSMで6ヵ月間治療後, RFP+INH(+EB)で3ヵ月間治療する方法である(以下, IRE法と略す).
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.35.534