救急病院における廃棄血削減の試み

輸血療法は,現代医療において欠くことができない治療法であるが,献血者数は年々減少し,輸血製剤の慎重な使用が望まれる.一方,救急病院では突発的な出血に対応するため血液の院内確保が行われていることが多く,廃棄血の増加をきたしやすい.当院でも,一時は赤血球濃厚液の廃棄が20%を超えるに至ったため,その削減に取り組んだ.交差適合試験の有効期間の設定,手術・輸血予定翌日の血液の患者割り付けの自動解除,新任医師への講義,廃棄血の比較的多い診療科・医師への個別依頼,マニュアル整備による医師の不安軽減などにより,廃棄血は徐々に減少し,約5%前後まで減少させることができたので報告する....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 32; no. 1; pp. 073 - 077
Main Authors 渡邉, 陽子, 時岡, 宏明, 小野, 大輔, 福島, 臣啓, 石井, 瑞恵, 岩崎, 衣津
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2012
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.32.073

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Summary:輸血療法は,現代医療において欠くことができない治療法であるが,献血者数は年々減少し,輸血製剤の慎重な使用が望まれる.一方,救急病院では突発的な出血に対応するため血液の院内確保が行われていることが多く,廃棄血の増加をきたしやすい.当院でも,一時は赤血球濃厚液の廃棄が20%を超えるに至ったため,その削減に取り組んだ.交差適合試験の有効期間の設定,手術・輸血予定翌日の血液の患者割り付けの自動解除,新任医師への講義,廃棄血の比較的多い診療科・医師への個別依頼,マニュアル整備による医師の不安軽減などにより,廃棄血は徐々に減少し,約5%前後まで減少させることができたので報告する.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.32.073