副作用集計データに基づく副作用評価と患者説明書作成への取り組み -R-CHOP 療法

「緒言」近年, がん化学療法は, 分子標的薬剤などの新規抗がん剤の開発や併用療法の発展により, 治療成績は著しく向上し, 患者の生存率やQOLの向上をもたらしている1-3). 制吐剤やG-CSFなどの支持療法も進歩し, 最近では, 化学療法を外来で実施することが多くの患者で可能となってきた. このため, 化学療法導入を目的とする入院時において, 服薬指導を行う薬剤師の果たす役割は大きく, がん化学療法による副作用の症状, 発現頻度や発現時期を把握し, 副作用の重篤化を回避することは重要であると考える. 癌研有明病院(以下, 当院と略す)血液腫瘍科における入院患者の大多数は悪性リンパ腫患者であり...

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Published in医療薬学 Vol. 35; no. 2; pp. 129 - 135
Main Authors 根本, 真記, 高橋, 郷, 角田, 尚, 杉山, 肇, 中村, 安生, 花出, 正美, 黒田, 直子, 杉崎, 崇人, 川上, 和宜, 樋口, 秀太郎, 濱, 敏弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2009
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.35.129

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Summary:「緒言」近年, がん化学療法は, 分子標的薬剤などの新規抗がん剤の開発や併用療法の発展により, 治療成績は著しく向上し, 患者の生存率やQOLの向上をもたらしている1-3). 制吐剤やG-CSFなどの支持療法も進歩し, 最近では, 化学療法を外来で実施することが多くの患者で可能となってきた. このため, 化学療法導入を目的とする入院時において, 服薬指導を行う薬剤師の果たす役割は大きく, がん化学療法による副作用の症状, 発現頻度や発現時期を把握し, 副作用の重篤化を回避することは重要であると考える. 癌研有明病院(以下, 当院と略す)血液腫瘍科における入院患者の大多数は悪性リンパ腫患者であり, その基本治療は化学療法である. 悪性リンパ腫の標準治療であるR-CHOP法は, 他の造血器腫瘍に対する化学療法と比較すると, 重篤な副作用の発現は低いといわれており4-6), 当院においても, 2コース目以降は外来診療にて行われる場合が多い.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.35.129