好発時間帯に基づいた発作性心房細動の臨床像の検討

自覚症状に基づく好発時間帯あるいはその有無が, 発作性心房細動 (PAF) 患者の臨床像を反映する指標となるか否かを知るために, PAF患者113人 (男/女=87/26, 平均年齢58±11歳) の病態と薬物治療の経過を検討した.42人は夜型に, 19人は昼型に, 残る52人は好発時間帯を認めない不定型に分類された, 男女比 (p<0.05) と左室駆出分画 (p<0.05) に群間の差を認めた.夜型と昼型では治療前の発作頻度が2/週以上の症例は43%と21%であったが, 不定型では60%にのぼった (p<0.0001) .さらに, 発作持続が24時間を超える症例も不定型に...

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Published in心電図 Vol. 21; no. 1; pp. 14 - 21
Main Authors 村川, 裕二, 羽田, 勝征, 犀川, 哲典, 高橋, 尚彦, 田宮, 栄治, 安喰, 恒輔, 池ノ内, 浩, 伊藤, 敦彦, 山下, 武志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 2001
日本心電学会
Subjects
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ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.21.14

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Summary:自覚症状に基づく好発時間帯あるいはその有無が, 発作性心房細動 (PAF) 患者の臨床像を反映する指標となるか否かを知るために, PAF患者113人 (男/女=87/26, 平均年齢58±11歳) の病態と薬物治療の経過を検討した.42人は夜型に, 19人は昼型に, 残る52人は好発時間帯を認めない不定型に分類された, 男女比 (p<0.05) と左室駆出分画 (p<0.05) に群間の差を認めた.夜型と昼型では治療前の発作頻度が2/週以上の症例は43%と21%であったが, 不定型では60%にのぼった (p<0.0001) .さらに, 発作持続が24時間を超える症例も不定型に多くみられた.また, 夜型の86%と昼型の89%では治療開始時の薬剤が4ヵ月以上継続されたが, 不定型では48%にとどまった (p<0.0001) , 以上より, 自覚症状に基づく好発時間帯とその有無は, PAFの性状や薬物治療の経過に関連することが示された.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.21.14