婦人科がん化学療法による嘔気・嘔吐に対するdexamethasoneの効果

「緒言」がん化学療法により発現する嘔気, 嘔吐は, 患者にとって非常に苦痛を伴う副作用の1つである. また, 嘔気, 嘔吐は食欲不振や, 体力の低下を引き起こし, 患者のquality of life(QOL)を著しく低下させ, 時には治療継続が困難な状況に陥る. がん化学療法を行う上で, この嘔気, 嘔吐を抑制するための適切な制吐剤の使用が望まれるが, その選択は施設ごとに異なり, 医師の判断に委ねられていることが多い. また, 抗がん剤の使用に伴う嘔気, 嘔吐の発現頻度や程度には個人差があり, 重要視されないケースも少なくない. 現在, 婦人科領域におけるがん治療として, 手術療法, 放射...

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Published in医療薬学 Vol. 32; no. 9; pp. 875 - 881
Main Authors 鍋島, 俊隆, 石川, 和宏, 桐山, 典子, 手塚, 智子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2006
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.32.875

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Summary:「緒言」がん化学療法により発現する嘔気, 嘔吐は, 患者にとって非常に苦痛を伴う副作用の1つである. また, 嘔気, 嘔吐は食欲不振や, 体力の低下を引き起こし, 患者のquality of life(QOL)を著しく低下させ, 時には治療継続が困難な状況に陥る. がん化学療法を行う上で, この嘔気, 嘔吐を抑制するための適切な制吐剤の使用が望まれるが, その選択は施設ごとに異なり, 医師の判断に委ねられていることが多い. また, 抗がん剤の使用に伴う嘔気, 嘔吐の発現頻度や程度には個人差があり, 重要視されないケースも少なくない. 現在, 婦人科領域におけるがん治療として, 手術療法, 放射線療法, 化学療法およびホルモン療法等が行われている. 化学療法において, 名古屋大学医学部附属病院(以下, 当院と略す)婦人科病棟では, 卵巣がんや子宮体がんに対し, paclitaxelおよびcarboplatinを用いたTJ療法が汎用されている1). また, 同じタキサン系薬剤であるdocetaxelおよびcarboplatinを用いたDJ療法や, 症例数は少ないがTJ療法およびDJ療法のcarboplatinをcisplatin(CDDP)へ変更したTP療法ならびにDP療法が行われる場合もある.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.32.875