血管内治療困難な未破裂脳動脈瘤に対する直達手術の問題点

最近, MRA, 3D-CT Angiographyなどの神経放射線診断技術の進歩とともに, 脳ドックの普及といった診療体制面での充実により, 未破裂脳動脈瘤の発見頻度が年々増加している5)8)9). ここで発見された未破裂脳動脈瘤にどう対処していくかは現在まだ議論のあるところだが, 一般的にはnatural history, 治療に伴うリスクなどを患者サイドと十分に話し合ったうえで積極的治療を行うか経過観察のみとするかが決定される. 積極的治療を行う場合には, 最近では血管内治療という新しいオプションが可能となった. これは塞栓物質, 特にGDC coilの導入を始めとした血管内治療の最近の...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 28; no. 3; pp. 201 - 206
Main Authors 高木, 輝秀, 李, 毅平, 宮地, 茂, 藤井, 正純, 高安, 正和, 鈴木, 善男, 野田, 篤, 吉本, 真之, 根来, 真, 吉田, 純
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2000
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs1987.28.3_201

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Summary:最近, MRA, 3D-CT Angiographyなどの神経放射線診断技術の進歩とともに, 脳ドックの普及といった診療体制面での充実により, 未破裂脳動脈瘤の発見頻度が年々増加している5)8)9). ここで発見された未破裂脳動脈瘤にどう対処していくかは現在まだ議論のあるところだが, 一般的にはnatural history, 治療に伴うリスクなどを患者サイドと十分に話し合ったうえで積極的治療を行うか経過観察のみとするかが決定される. 積極的治療を行う場合には, 最近では血管内治療という新しいオプションが可能となった. これは塞栓物質, 特にGDC coilの導入を始めとした血管内治療の最近の大きな進歩による2)7). 当施設でも従来から血管内治療を積極的に取り入れており, 未破裂脳動脈瘤に対しては原則として血管内手術を第一に考え, これが不可能か術前検討で困難と判断された場合, 直達手術が考慮される場合が多い. ところが, こういった場合の直達手術では今までとは異なるさまざまな問題が生ずることがある. そこで, これらの動脈瘤の特徴と手術時の問題点を明らかにし, こういった問題点にいかに対処すべきかについて検討した.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs1987.28.3_201