院外処方せんを介した臨床検査値情報の共有とその有用性評価
「緒言」病院や診療所による電子カルテの導入は, 多職種による患者情報の閲覧を可能とした. 従来であれば処方せんから読み取れる患者情報は処方内容を除けば生年月日, 性別, 年齢程度であったが, 電子カルテの閲覧により身長・体重, 疾患名, 臨床検査値, 医師の診察内容等ほぼ全ての情報が入手できるようになった. そのため, 実測体重からの適正投与量の算出や臨床検査値を基にした客観的な治療効果・副作用の評価が可能になり, 病院や診療所に勤務する薬剤師の処方監査はより高度になった. 一方, 院外処方せんの処方監査は, 保険薬局の薬剤師が対応しているが, 一般に詳細な情報の入手は患者からの聞き取りに依存...
Saved in:
Published in | 医療薬学 Vol. 40; no. 9; pp. 530 - 536 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
10.09.2014
日本医療薬学会 |
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | 「緒言」病院や診療所による電子カルテの導入は, 多職種による患者情報の閲覧を可能とした. 従来であれば処方せんから読み取れる患者情報は処方内容を除けば生年月日, 性別, 年齢程度であったが, 電子カルテの閲覧により身長・体重, 疾患名, 臨床検査値, 医師の診察内容等ほぼ全ての情報が入手できるようになった. そのため, 実測体重からの適正投与量の算出や臨床検査値を基にした客観的な治療効果・副作用の評価が可能になり, 病院や診療所に勤務する薬剤師の処方監査はより高度になった. 一方, 院外処方せんの処方監査は, 保険薬局の薬剤師が対応しているが, 一般に詳細な情報の入手は患者からの聞き取りに依存しているため, 質の高い処方監査を遂行するには情報が不足している. 一部の施設では, 病院での治療経過や臨床検査値を冊子に記入して患者情報を共有したり, 薬剤部で行った吸入指導の内容を保険薬局に提供する等の連携が行われているが, これらは対象疾患を限定した取り組みであり, 全ての患者へ連携を拡大することには至っていない. |
---|---|
ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.40.530 |