成人男性に発症した喉頭浮腫合併流行性耳下腺炎

「はじめに」流行性耳下腺炎は, 耳下腺の有痛性腫脹と発熱を主症状とする小児期の代表的な伝染性感染症である. 以前は, 一度罹患すると終生免疫を得ると考えられていたが, 近年, 小児科医を中心に再感染の報告が行われ, 最近では, 耳鼻咽喉科医からの報告もみられるようになった. ムンプスウイルス感染症の合併症には髄膜炎や睾丸炎等の他に, 耳鼻咽喉科領域では感音難聴が有名である. 喉頭浮腫の合併は比較的稀ではあるが, 過去にも報告例があり, 特に顎下部の腫脹を伴う流行性耳下腺炎例では注意が必要とされている. 今回, 流行性耳下腺炎の既往を有する成人男性において, 著明な喉頭浮腫により気管切開を要した...

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Published in喉頭 Vol. 27; no. 2; pp. 114 - 119
Main Authors 福森, 崇之, 森田, 一郎, 宮川, 義弘, 丸山, 祐一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本喉頭科学会 01.12.2015
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ISSN0915-6127
2185-4696
DOI10.5426/larynx.27.114

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Summary:「はじめに」流行性耳下腺炎は, 耳下腺の有痛性腫脹と発熱を主症状とする小児期の代表的な伝染性感染症である. 以前は, 一度罹患すると終生免疫を得ると考えられていたが, 近年, 小児科医を中心に再感染の報告が行われ, 最近では, 耳鼻咽喉科医からの報告もみられるようになった. ムンプスウイルス感染症の合併症には髄膜炎や睾丸炎等の他に, 耳鼻咽喉科領域では感音難聴が有名である. 喉頭浮腫の合併は比較的稀ではあるが, 過去にも報告例があり, 特に顎下部の腫脹を伴う流行性耳下腺炎例では注意が必要とされている. 今回, 流行性耳下腺炎の既往を有する成人男性において, 著明な喉頭浮腫により気管切開を要したムンプスウイルス感染症を経験したため, 喉頭内視鏡所見の経時的変化を提示し, 文献的考察を加えて報告する. 「症例」「症例」: 25歳, 男性. 「主訴」: 咽頭痛「現病歴」: 201X年9月19日, 咽頭痛を主訴に近医耳鼻咽喉科を受診し, 抗菌薬を処方された.
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx.27.114