神経芽腫との鑑別を要しoncologic emergencyを呈した新生児胃原発未熟奇形腫の1例
「要旨」神経芽腫との鑑別を要し, oncologic emergencyを呈した胃原発未熟奇形腫の新生児例を経験した. 症例は在胎24週時に胎児超音波検査で腹腔内腫瘤, 在胎26週に切迫早産, 羊水過多を認め, 胎児MRI検査で神経芽腫もしくは奇形腫が疑われた. 腫瘍は急速に増大し, 在胎36週に帝王切開で早期娩出された. 著明な腹部膨満を認め, 横隔膜挙上に伴う呼吸促迫のため人工呼吸管理となった. 2生日に腫瘍生検を行い, 迅速病理の所見は神経芽腫に矛盾せず, 尿中HVA値と血中NSE値は高値を認めた. 早期治療介入が必要と判断し, 最終病理診断を待たずに3生日より神経芽腫に準じた化学療法を...
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Published in | 日本小児外科学会雑誌 Vol. 54; no. 5; pp. 1106 - 1111 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本小児外科学会
20.08.2018
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Summary: | 「要旨」神経芽腫との鑑別を要し, oncologic emergencyを呈した胃原発未熟奇形腫の新生児例を経験した. 症例は在胎24週時に胎児超音波検査で腹腔内腫瘤, 在胎26週に切迫早産, 羊水過多を認め, 胎児MRI検査で神経芽腫もしくは奇形腫が疑われた. 腫瘍は急速に増大し, 在胎36週に帝王切開で早期娩出された. 著明な腹部膨満を認め, 横隔膜挙上に伴う呼吸促迫のため人工呼吸管理となった. 2生日に腫瘍生検を行い, 迅速病理の所見は神経芽腫に矛盾せず, 尿中HVA値と血中NSE値は高値を認めた. 早期治療介入が必要と判断し, 最終病理診断を待たずに3生日より神経芽腫に準じた化学療法を開始した. 最終病理診断は未熟奇形腫で, 21生日に腫瘍摘出術を行った. 胎児期に指摘された腫瘍性病変は, 術前および術中迅速診断では鑑別が難しい症例が存在するため, 小児科・病理診断科・放射線科との慎重な討議を重ねることが重要であると考えられた. |
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ISSN: | 0288-609X |
DOI: | 10.11164/jjsps.54.5_1106 |