エンドトキシン吸着療法を施行した腎移植後のurosepsisの1例
腎移植後2年10か月目に緑膿菌による尿路感染症でショック状態となった18歳男性に,持続性血液透析濾過とエンドトキシン吸着療法を直列回路にて施行し,奏功した症例を経験した。急性血液浄化療法を始める前に,すでに体重比10%を超える水分負荷が行われて肺水腫,低血圧の状態であったが,上記方法はfluid resuscitationに反応しない低血圧と溢水の改善に有効であった。腎移植後の尿路感染症のような特殊病態に対する,過剰な水分負荷は慎重に行うべきであり,負荷後にすぐに急性血液浄化療法が施行できる体制下で行われなければ非常に危険である。...
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Published in | 日本小児腎臓病学会雑誌 Vol. 23; no. 2; pp. 202 - 206 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
2010
日本小児腎臓病学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0915-2245 1881-3933 |
DOI | 10.3165/jjpn.23.202 |
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Summary: | 腎移植後2年10か月目に緑膿菌による尿路感染症でショック状態となった18歳男性に,持続性血液透析濾過とエンドトキシン吸着療法を直列回路にて施行し,奏功した症例を経験した。急性血液浄化療法を始める前に,すでに体重比10%を超える水分負荷が行われて肺水腫,低血圧の状態であったが,上記方法はfluid resuscitationに反応しない低血圧と溢水の改善に有効であった。腎移植後の尿路感染症のような特殊病態に対する,過剰な水分負荷は慎重に行うべきであり,負荷後にすぐに急性血液浄化療法が施行できる体制下で行われなければ非常に危険である。 |
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ISSN: | 0915-2245 1881-3933 |
DOI: | 10.3165/jjpn.23.202 |