体外式膜型肺を使用した気管内肉芽のレーザー焼灼術の麻酔経験
60歳, 女性. 気管内肉芽による気道狭窄に対し, 半導体レーザーを用いた焼灼術を予定した. レーザーの使用による引火の可能性があるため吸入酸素濃度を低く維持し, 手術操作の妨げとなる換気を一時的に停止する必要があった. 酸素化維持のため大腿静脈脱血, 右房送血による体外式膜型肺 (ECMO) を使用することとした. 吸入酸素濃度を0.2とし, ECMO作動下で換気を停止したところ酸素化が悪化したため, カテコラミンの持続投与で心拍出量を高く維持し, 酸素化は改善した. 酸素化保持のため, ECMOの流量や循環管理の指標として, フロートラック®を用いて心拍出量などをモニタリングすることにより...
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Published in | 日本臨床麻酔学会誌 Vol. 30; no. 1; pp. 58 - 63 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床麻酔学会
2010
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0285-4945 1349-9149 |
DOI | 10.2199/jjsca.30.58 |
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Summary: | 60歳, 女性. 気管内肉芽による気道狭窄に対し, 半導体レーザーを用いた焼灼術を予定した. レーザーの使用による引火の可能性があるため吸入酸素濃度を低く維持し, 手術操作の妨げとなる換気を一時的に停止する必要があった. 酸素化維持のため大腿静脈脱血, 右房送血による体外式膜型肺 (ECMO) を使用することとした. 吸入酸素濃度を0.2とし, ECMO作動下で換気を停止したところ酸素化が悪化したため, カテコラミンの持続投与で心拍出量を高く維持し, 酸素化は改善した. 酸素化保持のため, ECMOの流量や循環管理の指標として, フロートラック®を用いて心拍出量などをモニタリングすることにより, 良好な麻酔管理を行うことができた. |
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ISSN: | 0285-4945 1349-9149 |
DOI: | 10.2199/jjsca.30.58 |