Peutz-Jeghers症候群の小腸ポリープ

本症候群は胃から大腸に多発ポリープを生じ, 口腔や口唇, 指趾に色素沈着を伴う常染色体優性遺伝疾患である. 本症候群のポリープは過誤腫であるが大型化に伴い悪性化しうる. 3cm以上のポリープでは15%に悪性化がみられたとの報告もある. 従来, 胃および大腸のポリープは内視鏡的に治療が可能であったが, 小腸ポリープは大型化したポリープによるイレウスなどで手術した際に術中内視鏡によって治療することが大半で, 観血的な治療が避けられなかった. 近年, 小腸内視鏡技術はカプセル内視鏡とダブルバルーン内視鏡の出現により飛躍的に進歩した. カプセル内視鏡により患者に負担をかけることなく小腸の内視鏡画像を得...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 3; no. 4; pp. 164 - 165
Main Authors 三井, 啓吾, 辰口, 篤志, 田中, 周, 瀬尾, 継彦, 小林, 剛, 藤森, 俊二, 江原, 彰仁, 坂本, 長逸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2007
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ISSN1349-8975
1880-2877
DOI10.1272/manms.3.164

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Summary:本症候群は胃から大腸に多発ポリープを生じ, 口腔や口唇, 指趾に色素沈着を伴う常染色体優性遺伝疾患である. 本症候群のポリープは過誤腫であるが大型化に伴い悪性化しうる. 3cm以上のポリープでは15%に悪性化がみられたとの報告もある. 従来, 胃および大腸のポリープは内視鏡的に治療が可能であったが, 小腸ポリープは大型化したポリープによるイレウスなどで手術した際に術中内視鏡によって治療することが大半で, 観血的な治療が避けられなかった. 近年, 小腸内視鏡技術はカプセル内視鏡とダブルバルーン内視鏡の出現により飛躍的に進歩した. カプセル内視鏡により患者に負担をかけることなく小腸の内視鏡画像を得ることができる. そのカプセル内視鏡の画像から切除すべきポリープの存在がわかればダブルバルーン内視鏡を施行する. ダブルバルーン内視鏡は, 口側および肛門側から挿入して癒着や閉塞のないほとんどの症例で全小腸観察が可能で, 同時にポリペクトミーなどの処置を行うことができる.
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.3.164