末期腎不全へと至ったANCA関連血管炎症候群の2例
MPO-ANCA (myeloperoxidase anti-neutrophil cytoplasmic autoantibody) が陽性のANCA関連血管炎症候群の2症例について報告する。 症例1は7歳の女児。間質性肺炎と軽度の腎機能障害で発症した。ステロイドパルス療法の後, 多剤併用療法を行ったが, 徐々に腎機能は悪化し発症4年後に腹膜透析導入となった。現在は原疾患の再燃もなく腹膜透析継続中である。 症例2は6歳の女児。肺出血と高度の腎機能障害で発症し, 入院当日より腹膜透析を導入した。またステロイドパルス療法を行い肺出血はいったん改善したがすぐに再出血し人工呼吸管理を要した。2度目の...
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Published in | 日本小児腎臓病学会雑誌 Vol. 17; no. 2; pp. 95 - 101 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
2004
日本小児腎臓病学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0915-2245 1881-3933 |
DOI | 10.3165/jjpn.17.95 |
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Summary: | MPO-ANCA (myeloperoxidase anti-neutrophil cytoplasmic autoantibody) が陽性のANCA関連血管炎症候群の2症例について報告する。 症例1は7歳の女児。間質性肺炎と軽度の腎機能障害で発症した。ステロイドパルス療法の後, 多剤併用療法を行ったが, 徐々に腎機能は悪化し発症4年後に腹膜透析導入となった。現在は原疾患の再燃もなく腹膜透析継続中である。 症例2は6歳の女児。肺出血と高度の腎機能障害で発症し, 入院当日より腹膜透析を導入した。またステロイドパルス療法を行い肺出血はいったん改善したがすぐに再出血し人工呼吸管理を要した。2度目のステロイドパルス療法は効果がなく, 血漿交換療法を行ったところ劇的に呼吸状態は改善し一命を取りとめた。しかし腎機能は改善せず現在も腹膜透析を継続している。 2症例はどちらも末期腎不全へと移行し腎予後が不良であった。またステロイドパルス療法が無効例の呼吸器症状に対しては血漿交換療法も考慮すべきと考えられた。 |
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ISSN: | 0915-2245 1881-3933 |
DOI: | 10.3165/jjpn.17.95 |