脳梗塞急性期における拡散強調画像での高信号領域の可逆的信号強度に関する研究

「はじめに」脳梗塞急性期の日常診断において拡散強調画像(diffusion weighted image=DWI)の高信号の領域は脳梗塞と非常によく相関することから, 急性期脳梗塞の検出にはきわめて有用な撮像方法である2)10). DWI信号値の上昇は細胞内浮腫に起因する拡散低下を反映するとされている. 細胞内浮腫は可逆的細胞浮腫を経て不可逆的細胞浮腫に至るが, 不可逆的細胞浮腫が多いほど信号強度は上昇するものと考えられる. 急性期脳梗塞のDWIの高信号部分にも信号強度には差があることは経験されることであり, 時に陽性か陰性かの判定に悩む場合もある. われわれは急性期脳梗塞における加療前後の画...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 39; no. 6; pp. 426 - 431
Main Authors 小山, 淳一, 清水, 雄策, 永松, 清志郎, 佐藤, 篤, 本郷, 一博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2011
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.39.426

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Summary:「はじめに」脳梗塞急性期の日常診断において拡散強調画像(diffusion weighted image=DWI)の高信号の領域は脳梗塞と非常によく相関することから, 急性期脳梗塞の検出にはきわめて有用な撮像方法である2)10). DWI信号値の上昇は細胞内浮腫に起因する拡散低下を反映するとされている. 細胞内浮腫は可逆的細胞浮腫を経て不可逆的細胞浮腫に至るが, 不可逆的細胞浮腫が多いほど信号強度は上昇するものと考えられる. 急性期脳梗塞のDWIの高信号部分にも信号強度には差があることは経験されることであり, 時に陽性か陰性かの判定に悩む場合もある. われわれは急性期脳梗塞における加療前後の画像検討を行い, DWIの高輝度領域において, 加療によって温存されうる信号値と梗塞に至ってしまう不可逆的信号値を見分けることができるかを検討した. この報告の目的はわれわれが直感的に判定しているDWIでの高信号値に数値的な判定目安を得ることにある.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.39.426