腹臥位胸腔鏡食道切除術後の同側肩の痛みの評価

腹臥位胸腔鏡食道癌切除術後の同側肩の痛み（ipsilateral shoulder pain：ISP）の発生率，発生部位，有害事象の発現，右肩関節可動域，術後の離床について検討した．測定項目は，ISP発生率，ISPの程度（Numeric Rating Scale：NRS），発生部位，右肩関節可動域角度，手術時間，腹臥位時間，出血量，有害事象の有無，離床日とした．術後翌日のISP発生率は47.6％，ISP部位別発生率は僧帽筋上部線維が60％で最も発生率が高かった．ISPの有無により手術時間，腹臥位時間，出血量には有意差はなかった．術後の離床はISP群で座位開始日が有意に短かった．有害事象は認めな...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 40; no. 2; pp. 119 - 127
Main Authors 白川, 靖博, 築山, 尚司, 岩井, 賢司, 福田, 智美, 千田, 益生, 森松, 博史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 15.03.2020
Subjects
Ipsilateral shoulder pain
手術体位
腹臥位胸腔鏡食道切除術
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.40.119

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Summary:腹臥位胸腔鏡食道癌切除術後の同側肩の痛み（ipsilateral shoulder pain：ISP）の発生率，発生部位，有害事象の発現，右肩関節可動域，術後の離床について検討した．測定項目は，ISP発生率，ISPの程度（Numeric Rating Scale：NRS），発生部位，右肩関節可動域角度，手術時間，腹臥位時間，出血量，有害事象の有無，離床日とした．術後翌日のISP発生率は47.6％，ISP部位別発生率は僧帽筋上部線維が60％で最も発生率が高かった．ISPの有無により手術時間，腹臥位時間，出血量には有意差はなかった．術後の離床はISP群で座位開始日が有意に短かった．有害事象は認めなかった．ISP発生率は約半数の47.6％を認め，ISPの程度や右肩関節可動域はPOD3までに多くが改善傾向であった．
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.40.119