本院における麻酔関連のインシデント・アクシデント報告の分析

麻酔は医療事故のリスクが高い診療行為である.2009年度と2010年度の麻酔関連インシデント・アクシデント報告41件を分析し,その対応について述べる.影響レベルが3a以上の報告は9件であった.機器関連は,高度障害のリスクがあり,麻酔機器の更新,始業点検・メンテナンスの見直し,バックアップ体制の構築などが必要である.与薬関連は,誤薬,注入経路間違いが多く,指示内容確認の重要性を意識し,口頭指示をなくすシステムの構築が必要である.麻酔導入後の急変は全例重大な障害を残し得た.患者の術前状態の十分な把握と術者と麻酔科医との十分な討議を徹底してもらった.重大事故に対して担当科と関連診療科によるチーム医療...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 32; no. 7; pp. 980 - 984
Main Authors 神山, 洋一郎, 安本, 幸正, 田中, 裕, 京極, 伸介, 唐島, 孝影, 幅下, 貞美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2012
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.32.980

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Summary:麻酔は医療事故のリスクが高い診療行為である.2009年度と2010年度の麻酔関連インシデント・アクシデント報告41件を分析し,その対応について述べる.影響レベルが3a以上の報告は9件であった.機器関連は,高度障害のリスクがあり,麻酔機器の更新,始業点検・メンテナンスの見直し,バックアップ体制の構築などが必要である.与薬関連は,誤薬,注入経路間違いが多く,指示内容確認の重要性を意識し,口頭指示をなくすシステムの構築が必要である.麻酔導入後の急変は全例重大な障害を残し得た.患者の術前状態の十分な把握と術者と麻酔科医との十分な討議を徹底してもらった.重大事故に対して担当科と関連診療科によるチーム医療アプローチが有用である.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.32.980