多発性外骨腫による両側変形性股関節症と下肢外反による変形性膝関節症に対して人工股関節置換術と大腿骨遠位内反骨切り術を行った1例

「はじめに」多発性外骨腫は骨腫瘍による変形だけでなく, 四肢長管骨の変形に伴う関節障害を生じることがあるが, 多くは軽症であり骨切り術や人工関節などの手術例は比較的少ない. 今回は両側変形性股関節症に対して人工股関節置換術(以下THA)を, 下肢外反変形による変形性膝関節症に対して大腿骨遠位内反骨切りを行った症例を経験したので報告する. 「症例」症例: 71歳, 女性. 主訴: 左下肢外反変形を伴う両膝関節痛と両股関節痛による歩行障害. 現病歴: 50歳代より左膝痛出現, 近医受診時に多発性外骨腫症を指摘された. 当初は保存治療を行い痛みは安定していた. その後症状は悪化して両膝痛, 両股関節...

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Published in日本関節病学会誌 Vol. 35; no. 2; pp. 169 - 173
Main Authors 竹下, 宗徳, 神谷, 光史郎, 蓮江, 文男, 山崎, 厚郎, 藤由, 崇之, 大塚, 誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本関節病学会 2016
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ISSN1883-2873
1884-9067
DOI10.11551/jsjd.35.169

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Summary:「はじめに」多発性外骨腫は骨腫瘍による変形だけでなく, 四肢長管骨の変形に伴う関節障害を生じることがあるが, 多くは軽症であり骨切り術や人工関節などの手術例は比較的少ない. 今回は両側変形性股関節症に対して人工股関節置換術(以下THA)を, 下肢外反変形による変形性膝関節症に対して大腿骨遠位内反骨切りを行った症例を経験したので報告する. 「症例」症例: 71歳, 女性. 主訴: 左下肢外反変形を伴う両膝関節痛と両股関節痛による歩行障害. 現病歴: 50歳代より左膝痛出現, 近医受診時に多発性外骨腫症を指摘された. 当初は保存治療を行い痛みは安定していた. その後症状は悪化して両膝痛, 両股関節痛を生じ, 徐々に左下肢外反変形も増悪して歩行障害を生じたため手術目的にて来院. 初診時現症: 身長140cm, 体重54kg. 両下肢多発関節痛を認めたが特に左膝痛と左股関節痛が強く, また左下肢外反変形による歩行時の不安定性が著しかった.
ISSN:1883-2873
1884-9067
DOI:10.11551/jsjd.35.169