関節リウマチの早期診断―抗CCP抗体の有用性

関節リウマチ(RA)は, 自己免疫異常をもとに進行する多発性関節炎であり, 寛解と再燃を繰り返しながら, 関節破壊が早期から進行し, 40~50歳代の女性を中心に運動機能障害, ADL障害, QOLの低下を引き起こす難治性疾患である. 多くの新知見にもかかわらず病因, 病態は依然として不明であり, 根本的な治療法はいまだにない. しかし, 最近のRAの薬物療法や手術療法の進歩は著しく, 薬物療法は, かつてのピラミッド方式から, 関節破壊の抑制を目標に, 早期から強力な抗リウマチ薬を使う新しい治療体系に大きく変わりつつある. ‘the window of opportunity’という言葉に代...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 2; no. 1; pp. 50 - 51
Main Authors 中島, 敦夫, 立原, 章年
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2006
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ISSN1349-8975
1880-2877
DOI10.1272/manms.2.50

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Summary:関節リウマチ(RA)は, 自己免疫異常をもとに進行する多発性関節炎であり, 寛解と再燃を繰り返しながら, 関節破壊が早期から進行し, 40~50歳代の女性を中心に運動機能障害, ADL障害, QOLの低下を引き起こす難治性疾患である. 多くの新知見にもかかわらず病因, 病態は依然として不明であり, 根本的な治療法はいまだにない. しかし, 最近のRAの薬物療法や手術療法の進歩は著しく, 薬物療法は, かつてのピラミッド方式から, 関節破壊の抑制を目標に, 早期から強力な抗リウマチ薬を使う新しい治療体系に大きく変わりつつある. ‘the window of opportunity’という言葉に代表されるように早期発見早期治療により寛解を目標とする最近の戦略転換は, 「アメリカリウマチ学会(ACR)ガイドライン2002年改訂」や平成16年の「関節リウマチの診療マニュアル(改訂版)」に詳しく述べられており, より早期診断マーカーの必要性が高まってきた. 今回, 早期診断マーカーとして注目されている抗CCP抗体について紹介したい. 抗CCP抗体とは 古くからRA特異的自己抗体として, anti-perinuclear factor antibody(APF)や抗ケラチン抗体の対応抗原はシトルリン化フィラグリンと知られていた.
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.2.50