在宅輸血における可搬型血液冷蔵庫の試験運用
「はじめに」血液疾患の終末期における在宅診療の導入には, 在宅輸血を欠かすことはできない. 東京都では, 都内における在宅輸血の実績が把握されており, 小規模医療機関向けに輸血マニュアルを作成している. しかしながら, 訪問看護ステーションへのアンケート結果では在宅輸血での輸血検査, 輸血中の患者観察, 血液製剤の温度管理などの問題点が指摘されている. また, 田中の報告によれば, 小規模医療施設での血液の保管場所として, 血液専用保冷庫15%, 医薬品用冷蔵庫45%, 家庭用冷蔵庫35%, その他5%であり, 患家への血液搬送方法は, 蓄冷剤使用70%, 蓄冷剤未使用25%で, 35施設中1...
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Published in | 日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 66; no. 5; pp. 680 - 684 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
05.10.2020
日本輸血・細胞治療学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1881-3011 1883-0625 |
DOI | 10.3925/jjtc.66.680 |
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Summary: | 「はじめに」血液疾患の終末期における在宅診療の導入には, 在宅輸血を欠かすことはできない. 東京都では, 都内における在宅輸血の実績が把握されており, 小規模医療機関向けに輸血マニュアルを作成している. しかしながら, 訪問看護ステーションへのアンケート結果では在宅輸血での輸血検査, 輸血中の患者観察, 血液製剤の温度管理などの問題点が指摘されている. また, 田中の報告によれば, 小規模医療施設での血液の保管場所として, 血液専用保冷庫15%, 医薬品用冷蔵庫45%, 家庭用冷蔵庫35%, その他5%であり, 患家への血液搬送方法は, 蓄冷剤使用70%, 蓄冷剤未使用25%で, 35施設中1施設では可搬型血液冷蔵庫: active transport refrigerator(以下, ATR)を使用していた. ATRは遠隔地への血液搬送装置として使用され, 長時間の搬送でも血液の品質低下がないことがすでに報告されている. |
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ISSN: | 1881-3011 1883-0625 |
DOI: | 10.3925/jjtc.66.680 |